太平洋戦争の流れが変わった1日。

 今週、なーんとなく、映画鑑賞に乗り気ではなかった。こないだまで、終映に追われるように続けて観たいものを拾い続けた反動で、疲れが出てきたのかも知れません。加えて今週末、この秋の大本命がまとめて封切られるため、そっちに気が向いていたせいもある。
 ……しかしそれでも結局は出かけてしまった。仕上がりが不安なのでいまいち積極的にはなれないけど、やっぱり看ておいた方がいいか、と考え、昨晩にチケットを押さえ朝から出かけてきました。
 映画館は、どうやら今年最多訪問になりそうなTOHOシネマズ上野。鑑賞したのは、『インデペンデンス・デイ』シリーズのローランド・エメリッヒ監督が、太平洋戦争の流れを決した、と言われる運命的な激戦を、アメリカのみならず日本の視点も採り入れて描いた戦争ドラマミッドウェイ(2019・字幕)』(kino films配給)
 予め調べた世評にあった通り、確かに視覚効果は素晴らしいけど脚本が粗い。どうもかなりしっかりリサーチを行ったと見られ、象徴的な人物やエピソードは拾っていってるんですが、それ故に雑然とした感がある。何せアメリカ側の人物関係や配置が把握しづらく誰に感情移入していいのか解らないのがネック。
 しかし一方で、分量的にはアメリカ側より少ないんですが、そのために整理のされた日本側の描写がなかなかいい。開戦は決して唐突ではなく日本側にも事情があったことを序盤で仄めかしてますし、短期決戦でなければ日本の勝機は乏しい、と看破していた山本五十六に、果敢に攻めてきた米軍操縦士を素直に賞賛した山口多聞など、安易に日本側を悪党にも愚者にも描かず、日本側なりの理にも触れているのは好感が持てます。
 どうしても脚本の粗さが目立ち、かつあまりにもフェアであろうとしたために良くも悪くもインパクトに欠く仕上がりになってしまったことは否めませんが、個人的にはけっこう好き。戦争物というジャンル、そして尺の長さのわりには、気軽に楽しめる出来であることも実は貴重だと思う。

 鑑賞後は近くのラーメン店で昼食……と思ってましたが、予報よりも雲行きが怪しく、いつ降り出してもおかしくない印象。食事しているあいだに降られるのもイヤなので、ファストフード店で買って、家に持ち帰って食べました。最近たまに利用しているテイクアウトも、結局は待つ羽目になるので、急いで帰りたいときには意味がない。

コメント

  1. […] 原題:“Midway” / 監督:ローランド・エメリッヒ / 脚本:ウェス・トゥーク /  […]

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