美術の世界に蠢く魑魅魍魎。

 本日の映画鑑賞はTOHOシネマズシャンテです――ていうか、当日夜は茶風林さんの配信イベント『呑んでばかりで何が悪い!』がある日で、私はだいたい配信元が発表したお酒と同じものを用意して楽しむようにしている。茶風林さんが松江観光大使を務めている都合もあり、概ね島根の酒造会社のものが採り上げられるので、ほぼほぼ島根のお酒が揃っている(王祿酒造除く)日比谷しまね館で買うのが最善なのです。故に、映画鑑賞も日比谷か、せめて有楽町界隈に限られる。今回はそういう理由から作品を選びました。
 鑑賞したのは、複製とみなされ二束三文で売られた絵画が、510億円という価値に化けるまでを、取引に関わった人びとの証言からあぶり出していくドキュメンタリーダ・ヴィンチは誰に微笑む』(GAGA配給)
 今更ですが、美術品の“価値”はともかく、それを巡る“カネ”は当てにならない、と痛感する映画です。最初、大手のオークション会社は見向きもしなかった絵画に、失われたダ・ヴィンチの傑作の可能性が見出されると、急速に動く金額が大きくなっていく。由緒あるオークショニアが慎重な態度を取る一方で、最初の取引を拒んだ会社でマーケティングが行われたことで一気に値段が吊り上がる。それでも作品の真贋を巡る議論は終わりを見せず、エンドロール前にテロップのかたちで示される後日談では、国家間の取引めいたものさえちらつく始末。天文学的な金額に達するまでに、繰り返し“修復”と“鑑定”が試みられているのも興味深い。
 アンディ・ウォーホルが作品のかたちで揶揄(或いは利用)し、現代においてもバンクシーが実戦的に批判を続けている美術界の闇が、ダ・ヴィンチの名前を借りて露骨に体現されてるドキュメンタリーでした。面白いのは間違いないけど、あまりに生臭い。

 鑑賞後は予定通り、映画館向かいの日比谷シャンテに入っている日比谷しまね館に立ち寄り、お酒などを購入……700mlは呑みきる2は多すぎるので、今回は300mlでいいや、と思ってたんですが、目当てのお酒は700mlからしか扱ってなかった。お陰で帰り道、背中が重かった……。
 昼食は近場のラーメン店で済ませよう、と思ってうろついてみるものの、時間が見事に昼休みとかち合ったせいでどこも列が出来ている。やむなく、今日はさすがに寒いから、と敬遠していた、ガード下のお店でカレーうどんをいただきました。

コメント

  1. […] 原題:“The Savior for Sale” / 監督:アントワーヌ・ヴィトキーヌ / 製作:ポール・ローゼンバーグ、セリーヌ・ニュス / 撮影監督:グザヴィエ・リベルマン /  […]

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