聴こえなくても届く歌声。

 本日は2ヶ月にいちどのお楽しみ、タイタンシネマライブです。未だ感染が抑制出来ている、とは言いづらいものの、増加傾向は緩くなり、また対策が確立されてきたイベント類は再開したり、本来の時間帯やキャパシティで開催できるようになってきた。こちらシネマライブも、前回はまた早めの時間になってましたが、ふたたび本来の19時半開演に切り替わりました。
 そうすると、お昼あとにシエスタがないと夜に保たなくなる私でも、時間を調整すれば映画のハシゴが出来る。スケジュールが発見されるなり、ジグソーパズルのように枠を組み合わせ、これならいけるだろう、と確信した組み合わせは――1個だけでした。もはや悩む余地さえなかった。

 劇場はいつも通りTOHOシネマズ日比谷。シネマライブだけならとりあえずバイクで移動するところですが、今回は2本立てでチケットを押さえてしまった。安い駐車場でも、2本立てにしてしまうと、尺次第では電車利用よりも料金が高くついてしまう。まあ、それを抜きにしても、1日雨の予報が出ているので、こちらも選択の余地なく電車を使いました。
 まず鑑賞したのは、本年度アカデミー賞作品賞ほか3部門に輝いた作品、聾者の家族でただひとり聴力を持った少女が、見出された歌の才能に向かおうとする姿を軽快に、しかし真摯に描いたCoda あいのうた』(GAGA配給)
 なるほど、これは確かに、トップにはなりにくいけど票を集める。聾者の一家でひとりだけの聴者だ、ということがどんな負担をもたらすか、を丁寧に、でも深刻にせずに描き出す。無邪気に娘に依存してしまっている母、罵倒し合いながらも妹が家に囚われない将来を手にすることを願いもがく兄、泰然としながらも家族を思いやる父。聾者であっても異なる家族それぞれの気持ちと、それでも寄り添い合う姿が快い。
 秀逸なのはクライマックスの演出です。発想そのものは決して突飛ではないけれど、使いどころが完璧。いずれも、そこで潮目が変わるのがはっきりと解る。個人的には予想の範囲内なので感動こそしませんでしたが唸らされましたし、予測などせず素直に浸っていると間違いなく打たれる。わたしの両隣がそれぞれ女性同士で席に着いてましたが、どっちからもすすり泣きの声がしてましたし。
 正直、私も1位には挙げない、けど間違いなくその年のベストには加えてしまう。その確かな作りこそ、本篇の高い評価に結びついたのでしょう。

 きょうの本題はこの次、ですが、通常のスケジュールに戻ったため帰宅がギリギリなので、ここでいったん記事を割ります。メインであるタイタンシネマライブについては明日アップします。

コメント

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