爆笑問題withタイタンシネマライブ#76 at TOHOシネマズ日比谷。

 以下、昨晩の続き。
 先に鑑賞した『Coda あいのうた』から少し間を空けて、タイタンシネマライブです。スクリーンはすぐ隣だけど、いちど出なきゃいけないのが面倒。どのみち、帰りが遅くなることを考慮して、軽食を買うつもりでしたから、問題はないんですが。
 本篇前の特別映像は、《タイタンの配信》にて生放送された、爆笑問題・田中裕二を中心とする《野球部》の抜粋。野球好き芸人たちと共に行っているこの放送で、今年の野球界についての予想を上げていく、という趣旨だったのですが、出演していた大鶴肥満が見事に佐々木朗希の完全試合を的中させていた。もともとその可能性を見込まれていたのでしょうけれど、ちょっと感心。
 本篇最初の出演はダニエルズ。ヒーローが自分の不満を悪役に畳みかけていく、という内容ですが……この設定、前にもシネマライブにかけてなかったっけ? しかも、つい最近、ネタ番組でも観た覚えがある。前にシネマライブで観たときよりブラッシュアップはされていたようですが、あさひの女装を軸に、持ちネタは多いはずなんだから、他のを観たかった……ただこのネタ自体は嫌いではない。
 ふた組目は新人枠、タイタンの学校4期生のらこめでぃ。もちろん私は観るのは初めて。尺は短めですが、ヒネリもオチも綺麗にまとまっているコント。たぶん何かしら突破口を見つけるか、地道に言いネタを作り続けないと売れない気がしますが、とりあえず名前は覚えておこう。
 3組目は高学歴コンビXXCLUB。パックンマックンのような英語を絡めたネタ。でも、初等英語が記憶に残ってれば問題ありません。4組目はシティホテル3号室、奇妙なオーディションのネタ。個人的には、ある重要なツッコミがスルーされてるので、モヤモヤしてしまった。続くキュウは“テテテンテ”……相変わらず、特異なシチュエーションから緻密に組み立てられたネタが素敵。
 6組目は脳みそ夫。題して《アラサー武士》。それっぽい単語を並べて笑いを取ろうとしてる……んですが、この方はネタの考証が浅くて困る。武士とひとくちに言ってもお前は戦国武士か江戸時代の武士か。下剋上という単語が出てくるから戦国かと思いきや、参勤交代という単語が出てきて不安定になる。挙句、もっと古い時代の運慶快慶まで持ちだして一貫性がない。戦国武士ならその周辺に統一しようよ。そんなに浅墓だから『スッキリ』でやらかしたんだぞ。
 7組目はまんじゅう大帝国。このところ正統派のボケ・ツッコミに傾いてましたが、久々にツッコミが微妙に乗っかっていくスタンスに回帰してます。オーソドックスでも巧いけど、このほうが個性が立っていて私は好き。8組目は日本エレキテル連合。マスク着用で、コロナ禍の世相を織り込んでる――けど本質はやっぱり彼女たちらしいエキセントリックさ。本当に、どんどん練度が高くなってる気がします。続くウエストランドは、昨今のコンプライアンスに縛られたお笑い業界への井口らしいツッコミで組み立ててます。
 ここからはゲスト枠。まずは最新R-1チャンピオンのお見送り芸人しんいち。のっけから自分で「R-1チャンピオンでーす」と名乗ってから矢継ぎ早の愚痴。あまりにも実感的で、巧みに同情を買ってから、いつも通りの“好き”と言いながら毒舌を吐く歌ネタに持っていって、最後にはちゃんとタイタン絡みのネタを仕込んで落とす。構成も絶妙。準優勝のZAZYばかり味方されていて拗ねている感がありますが、たぶんこのひとも逞しく生き残ると思う。
 続いては久々の登場、インスタントジョンソン。前に来たときと演者の立ち位置やキャラ作りが似たり寄ったりですが、ちゃんとシチュエーションに合わせて変化を付けてる。安定感のあるネタでした。次はとろサーモン。相変わらず久保田のヤバさが際立つ話運び。この人たちは容赦なく毒舌を吐ける舞台に適してるよね。ゲスト枠のトリは、BOOMERが単独で登場。珍しく漫才を……と言いつつ、ひたすら談志のモノマネで繋いでました。新しいワードを盛り込んでいても基本の古さはいい意味でいつも通り。
 そして大トリはいつも通り爆笑問題。微妙に先行する芸人とネタが被ってましたが、やっぱり時事ネタの物量と仕上がりの良さは圧巻。たまたまだとは思いますが、最後の話題でオープニング前の映像に繋げながら、珍しく作った感の強い落ちに持ち込んでいるのが個人的には好き。
 エンディングトークは今回もゲスト陣が順々に登壇。とろサーモンは村田がラジオ出演で既に退出していて、久保田のみ冒頭でちょっと登場。慌ただしく毒を吐いて去っていきました。続いて登場したお見送り芸人しんいちは、常に持参しているらしいトロフィー片手にまだ愚痴る。そしてそのまま居残って、最後に登壇したインスタントジョンソンにまで終始イジられてました。いまは精神的にキツいかも知れませんが、ここを切り抜ければ、ヒロシくらいにはなれるぞ、きっと。
 次回は6月10日開催。いまの感じだと、19時半開演のスケジュールは維持できそうな印象。出来れば、タイタンメンバーもエンディングに登壇できるくらいになっていれば嬉しいが……そこまではまだ厳しいだろうな~。

 ……ちなみに、私にとってもうひとつの2ヶ月1回のお楽しみである新耳袋トークライブ、2020年4月以降は開催できず、やむなく現在は配信のみで命脈を繋いでいる状態です。しかし、いずれ開催できるときのためにも、と、開催の情報を見落とした最初のころを除いて毎回チケットを購入してリアルタイムで鑑賞してました。今回もそのつもりだったのです。
 ……開催がこのシネマライブと重ならなければ。
 新型コロナウイルスの感染状況に改善の兆候も見えたことから、ギリギリまで判断を保留していたせいもあるのでしょう、なかなか開催概要が発表されず、どうもそのあいだに、会場であるロフトプラスワンで本来の日程である土曜夜の枠が確保出来なかったと見え、金曜日にズレ込んだようです。普通なら重ならないはずなのに。
 幸いなのは、チケットさえ買ってあれば、しばらくは見逃し配信が利用できる、という点。なので、近日中に余裕を作ってゆっくり鑑賞しようと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました