神の恵みは、呪いと化した。

 本日の覚悟を決めての映画鑑賞です――詳しくはあとで記します。
 が、そういうときに限って、想定外の邪魔が入ったりする。前夜のうちに作業を区切りまで運ぶはずが、夏にも発生した透析装置のトラブルで時間を奪われ、部屋に戻ってからはず~っとギャーギャー言い続ける我が家の飼い猫に悩まされ。翌朝、クリニックの技師が機器のチェックに訪れたときには問題は解消していて、今後の対応について少し相談しているうちに、出かけねばならない時間が来てしまった。工程が進まなかったことに後ろ髪引かれながらも、今日を逃すとたぶんもう公開中に勢いがつけられない、と思ったので、振り切る心地で出かけました。
 当初は電車を利用するつもりだったのですが、思いのほか陽気が良く、しかも山手線の一部区間運休で色々と混乱してそうなので、今日もバイクにて移動。行き先は、まだ新宿です。そして、映画の上映は11時50分スタートなので、少し早めに現地入りして、大久保公園で開催中の日本ラーメン大百科にて早めの昼食を摂る。このあたりの詳細は明日以降に。
 食事を済ませたらTOHOシネマズ新宿に赴き、メインディッシュです。鑑賞したのはマーティン・スコセッシ監督が実話をもとに描くドラマ、1920年のオクラホマ州を舞台に、石油で財を成した先住民オーセージ族が次々と殺害されていく事件を、端緒となった白人青年の視点を中心に描き出したキラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(東和ピクチャーズ配給)
 本当は公開直後に観るつもりだったのです。が、なにせこの作品、上映時間が206分、つまり3時間26分ある。製作者の意向によりインターミッションはなし、ゆえに嵩増しは予告篇分のみとはいえ、3時間半を超えるからスケジュールの編成が難しい。公開直後には私にとって都合のいい時間帯での上映が見つからず、直後に母の体調不良、私の旅行に大風邪が挟まって、3時間超えの作品を鑑賞する余裕などあろうはずもない。既に公開から1ヶ月近く、好評とはいえいつ劇場公開が終わってもおかしくない。そこで、いつもなら仮眠を取る時間にがっっり被ってしまうものの、透析休みにしているため時間の融通が効くきょう土曜日、思い切って鑑賞することにしたわけです。作業の進捗から考えても、次にこんな余裕が出来るのは再来週。果たして都合のいい時間にかかっているか、と考えると、もう本当にギリギリだったのです。
 不安は、時間帯ゆえ眠気に見舞われる危険が高いコトでした。が、これは完全に杞憂でした。まったく眠くなる隙がない――まあ、時間帯と長さゆえに欠伸は出ましたけど、内容的にダレている部分は皆無。確かに、この尺は無駄ではない。
 当時のアメリカの情勢を思えば確かにあり得た、石油という財源を得て豊かになった先住民と、それに群がる白人、そして、だからこそ起きる軋轢、惨劇。冒頭から惨劇と不穏な動きを織り込み、それが長い時間に跨がる死の連鎖へと繋がっていくさまを、重厚に、しかし観る者を決して飽きさせない絶妙なテンポで綴っていく。
 それぞれの登場人物の心情に過剰に踏み込んでいかないので、色々と不透明な部分も多い――とりわけ、メインとなるレオナルド・ディカプリオ演じるアーネストの心情はいまいち窺い知れないものがあるのですが、地元における絶大な権力と、言動の圧倒的な説得力で彼をコントロールする伯父に対する忠誠、そして先住民である妻モリーに対する愛とのあいだで揺れる様が、物語を突き動かしていく。決して派手なドンパチは繰り広げられませんが、手に汗握るような迫力、牽引力があります。
 エピローグ部分の風変わりな趣向に、最後の最後でやや困惑させられましたが、確かに見応えのある傑作。Appleが配給権を獲得したために当初は劇場公開もない可能性があったのですが、各国での上映に踏み切ってくれたことに感謝。

 今回の映画はパンフレットが製作されていない。実際の事件がどんな具合だったのか確認するため、原作本を読んでみたくなったので、紀伊国屋書店に寄り道することも考えましたが、もうとにかく疲れきってしまったので、さっさと駐車場まで戻り、家路に就きました。
 山手線一部運休の影響なのか、いつもより混雑している道が多く、ようやくの思いで帰りつくと、少し遅い仮眠を取る。それでもまだ眠いので、このあと出来る限り作業を進めたら、深夜ラジオは録音に任せて、とっとと寝ることにします……。

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