当初、今日のメインイベントは、バイクの修理だったのです。既にバイク店には訪問を予約してあり、午前中に持っていって預かってもらう。作業にどの程度時間がかかるか解らないので、そこから少し遠くまで足を伸ばし、お昼を食べてから御徒町で映画を観、もしそのくらいの頃合いで作業が終了しているならバイクを引き取る、まだのようならいったん家に戻り、夕方にもういちど出直して引き取る、という流れを組み立ててあった。観たい映画も1本消化できるし、理想的なスケジュールではないか!
……雪の予報さえ出ていなければ。
そもそも雲行きが怪しいな、とは思ってましたが、私の記憶では当初、週末頃に天気が崩れるはずで、月曜日は辛うじて曇り程度だったはず。それがいつの間にやらズレ込んで、気づけば月・火にピークが来てしまった。バイクを持ち込む午前中は保ちそうでも、引き取りに行く時間が絶望的。最悪、積雪の可能性もある、と言われたら、バイク乗りには為す術もありません。主な道路は通行量が多いので冠雪はしないでしょうけれど、家の周りがマズいのだ。
というわけで、朝のうちにバイク店に向かうのは断念したのですが、ついでに観るはずの映画のチケットは確保してしまっている。また、先日の透析で採取した血液をクリニックに届ける、というあんまり後回しに出来ない用事も含まれている。ゆえに、主目的を省きつつ、一部の予定は実行せねばならなかった。他の用事は徒歩と電車で済むからね。
このうえ、クリニックからの移動に使う電車がどこかのトラブルですぐに出ない、という展開に更に焦らされましたが、どうにか映画鑑賞の前に昼食を済ませ、上映開始前に劇場に入ることができた。
TOHOシネマズ上野にて鑑賞した本日の作品は、大人気作『ゆるゆり』シリーズのスピンオフ、優秀な長女に残念な次女、優秀な三女という三姉妹のちょっと変だけど何でもない日常を描いた『大室家 dear sisters』(Showgate配給)。
原作を読んできた人間からすれば文句なしのアニメ化。しかし原作を知らない人にとってはどうだろう。しかも割引一切無効の1600円均一価格で43分という上映時間は妥当と思えるかどうか。
でも、アニメ化としては完璧と言っていい。原作とほぼ違和感のないキャラクター、随所でこだわりを見せつつも基本的に動き回らない構図、それでいて作画枚数は多く動きが繊細。映画ならではの大きなイベントなんてものもなく、三姉妹の日常がただただ紡がれていくだけ。相変わらず残念としか言いようのない次女・櫻子を中心に、気づけば同級生から崇拝されてる三女・花子、クールだけどこっそり仲良しメンバーの誰かと付き合ってる長女・撫子、それぞれの個性をただただ丁寧に見せていく。
ファンでも読者でもないと、映画にする意味ないじゃん、と言いたくなりそうな内容だけど、むしろこういう形だからこそ実現できたクオリティは、やっぱし映画館でお金を払って観る価値はあると思う、ファンや原作読者なら。本筋には全然絡んでこないけれど、ちゃんと『ゆるゆり』のメインメンバーもちらっと出てきます。
映画を観終わって劇場を出たら、しとしとと雨が降っている。そして、自宅最寄りの駅に着いた頃には霙のように粒が重みを増して、立ち寄ったコンビニを出る頃には本格的に雪に変わっていった……やはりバイク修理は断念して正解でした。これを書いている17時過ぎの時点ではもう、家の前の道路がもう白くなってきている。遺児でバイク屋に持ち込んでたら、最悪木曜日まで引き取りに行けなかったぞこれ。
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