ヴァージニアン号と午前十時の映画祭13を見送る。

 午前十時の映画祭13も残すところあと1週間。最後の1本を鑑賞すべく、いつものTOHOシネマズ日本橋に向かいました――家を出る直前、茨城で震度5弱の地震があって、電車が動いてるのか不安になりましたが、まあ東京のこの揺れなら普通に動いてるだろ、と普通にお出かけ。実際、何事もなかったかのように走ってました。いちおう駅構内ではアナウンスが続いていたけれど。
 鑑賞した午前十時の映画祭13、私にとっての大トリとなる1本は、ジュゼッペ・トルナトーレ監督×エンニオ・モリコーネ音楽の黄金コンビの代表作のひとつ、船上で生まれ陸を踏まないまま成長したピアニストを描く、昂揚感と切なさに満ちたドラマ海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版』(Asmik Ace初公開時配給)
 ちょっと前にデジタル修復版が公開されていて、私自身それが初見です。冒頭のクレジットから推測するに、たぶん素材もそのときのものを使っている……あのとき、遅れて公開されたイタリア語版だったら嬉しかったんだが、まあ普通に考えれば、まだ解りやすい英語版にするよね。
 初見で「わーこれ好きー」と心の中で喝采を捧げた作品ですが、もう1回鑑賞してもやっぱり大好きな作品でした。
 なにせこの作品、映画だからこそ出来るファンタジーとロマンに満ち満ちている。船の中で生まれ育ったとは言え、あり得ない状況で繰り広げられる曲芸的な演奏、地上の天才を完膚なきまでに叩きのめす対決の鮮やかさ。船の中の他に世界を知らない男が陸に上がろうとするきっかけとその顛末の、言いようのない切なさ。この素晴らしいドラマを、意外なほどに派手に飾るクライマックスと、あまりにも洒落たラストまで美しい。
 トルナトーレとモリコーネのコンビはやっぱり『ニュー・シネマ・パラダイス』に尽きる、と思いますが、こちらも間違いなく名作。エンニオ・モリコーネという才能がより遺憾なく発揮されているのは本篇のほうとも言えるし。

 鑑賞後は例によって日本橋ふくしま館へ。プログラム切替直後の月曜日に定めていた午前十時の映画祭13の最後の1本を木曜日に観に行ったのは、きょうからふくしま館のイートインに老麺まるやが来るから。本当に私はここのラーメンがいまいちばん好きです。本店は福島、しかもコロナ禍以降、本店の営業はしておらず、催事での出店のみで回している。現地の福島県観光物産館と日本橋ふくしま館だけはコンスタントに出店していて、私が食べられるのはふくしま館だけ、と言っていい。ゆえに毎月、ふくしま館のイベントスケジュールが発表される頃にチェックして、まるやが来る日に合わせて映画鑑賞の予定を組むのが習慣づいているのです。責めて月に1回は食べたいのだ。
 他の店舗のときはわりあい、お昼時でも少しは席が空いているのがほとんどなのですが、まるやが出店している平日お昼時は確実に列が出来ている。こっちとしては折り込み済みなので、多少の待ち時間は気になりません。数の少ないチャーシューメンは11時台には捌けてしまうことがほとんどなので、私が映画を観たあとに訪れたときには基本、注文できない。なのでけっきょくはいつもの通り、喜多方ラーメンを大盛りで注文することになります。でも、ここは普通のラーメンでもチャーシューは多めなので、これでいいのだ。
 既に発表されている来月のスケジュールだと、次回の出店時には日本橋を訪ねられない可能性がちょっとある。なので、まるやが出店しているときにだけ購入出来るお土産を2セット、4食分購入。最悪、2ヶ月以上になるかも知れない空白を、これで埋めるのです。

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