情と政治の狭間に、怪異は蠢く。

 1日おいて、今日もまた映画鑑賞です。
 訪れたのは、TOHOシネマズ上野……一昨日、ここのサービスの改悪を目の当たりにしてしまったので、ほんとーは別の劇場で観たかったんですけど、来週も含めた時間割を確認したうえで、ここがいちばんタイミングがいい、と判断して、一昨日の時点でチケットを確保、劇場で紙のチケットも発行してしまったので、もう後戻りできません。
 祝日、しかも封切り作品も多い日、ということもあってか、劇場のあるビルの下にはエレベーター待ちの列が出来ている。ここのエレベーターは、1基だけ制御が違っているため、それを知らないと2基だけで出入りを賄うことになるので、どうしても人の流れが詰まる。とりあえず、私が上がるときは独立したエレベーターのボタンも押しておきましたが、祝日の朝くらい、階下に人を配して欲しいところ……こういうツッコミするために来てるんではないけど。
 まあそれはさておき、今日鑑賞したのは、独特な世界観で人気を博する怪奇アニメーションの劇場版第2作、大奥をふたたび襲う、火を招く妖怪に謎の薬売りが対峙する劇場版 モノノ怪 火鼠』(ツインエンジン×Giggly Box Co.,Ltd.配給)
 前作『劇場版 モノノ怪 唐傘』から話は繋がってますが、無理に観る必要はないです。今回の事件、背後に蠢く妖怪はまた別物なので、本篇だけでもちゃんと理解でき、カタルシスがある。狙ってやったのかは不明だけど。
 今回も、“大奥”という特異な世界で繰り広げられる愛憎と、そこから現れる物の怪との戦いを描いている。天子の寵愛を受けて子を成せば、その一家は安泰となるが、それ故に争いの種ともなり得る。怪異と、それに立ち向かう薬売りが炙り出していくドロドロとした様相が生々しい。
 このシリーズは和風ながらサイケデリックな映像も魅力ですが、ますます完成度が増している印象。大奥の中を所狭しと走り回るカメラワークで、個性的なモチーフが活き活きと躍動します。この唯一無二のヴィジュアルだけでも観ていて楽しい。
 しかし今回は、ドラマが更に秀逸です。とてもわかりやすい背景のようでいて、なかなか核心を露わにしない火鼠の“真”。迫力のある演出で描かれる怪異の隙間からやがて浮かび上がる真実は、ちょっと胸に迫るものがあります。
 前作よりも終幕はちょっと清々しく、余韻も優しい好篇、ですがまだ終わりではない。みたび大奥に物の怪の現れる最終章『劇場版 モノノ怪 蛇神』は来年春公開だそうです。今回より更に間が空きますが、そもそもテレビシリーズからこの劇場版第1作まで、もっと長い空白があったので、1年ぐらい大したことない。首を長くして待ちます。

 鑑賞後。普段は近場で昼食を摂るところですが、今回は敢えて移動。
 向かったのは、神田。しかも、徒歩です。
 なにせ映画が終わったのが10時50分、お昼までだいぶ余裕がある。運動がてら歩いていけば、丁度いい時間になる、
 訪れたのは例によって日本橋ふくしま館です。イートインに今日から出店しているのは坂新。喜多方ラーメン系では、老麺まるやとともにお気に入りの味なので、出店するときには1回は立ち寄るように決めていたのです。だから当初は、映画のチケットもTOHOシネマズ日本橋で考えていたのですが、時間が遅めなので、上野から移動する計画にしたわけです。
 注文したのは肉そば。直前にまあまあ動いているので、早めの時間ながら余裕で平らげました――一昨日の件もあって、少なくとも今日は売店で飲み物は買わない、と決めていたものの、持ち込むものを買うため別のところに立ち寄る時間もなかったので、朝食以降、水分も摂っていなかったわけですから、そりゃあ入るのが当然かも。
 帰りはさすがに電車を利用しました。当初は、クリニックの近くまで移動して、処方箋を受け取って帰ろうかと考えてましたが、なにせ今日は祝日、処方箋をもらったところで薬自体は明日以降になるので、急ぐのはやめました。ひとまず喉も落ち着いてるし。

TOHOシネマズ上野、スクリーン1入口脇に掲示された『劇場版 モノノ怪 火鼠』チラシ。
TOHOシネマズ上野、スクリーン1入口脇に掲示された『劇場版 モノノ怪 火鼠』チラシ。

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