お洒落だけど、不器用な人たち。

 先週はどう考えても映画を観に行けるコンディションではありませんでした。午前十時の映画祭16も先週からプログラムが切り替わってたんですが、大事を取って先送りにしたのです。が、今週の木曜で現在のプログラムも終了、しかも別グループと作品が入れ替わるのではなく、新しいテーマの2作品が出てきてしまうので、木曜までに観に行かなければ、7月にしてコンプリート不能になってしまう。
 体調はもう万全――とは言い難い。昨晩けっきょく就寝前にPL顆粒を服用したことが幸いして風邪の症状は朝の時点で出ておりませんが、怠さは相変わらず……そもそも就寝前に風邪薬を飲むと影響が翌日お昼くらいまでは残りがちなので、怠いのは織り込み済みではあるのですけど、出かけるかどうかは迷うレベル。チケットを取ってなかったら、大事を取って、もう1日あとに回したかも知れません。とにかくこれ以上こじらせたくない。
 劇場はいつも通りにTOHOシネマズシャンテ。今年は他の事情も絡んで、一般のロードショー作品をなかなか観に行けないので、想定以上にここに通う羽目になってます。代わり映えしない――なんて思ってたら、入口のところのビル外壁にあしらわれたヴィジュアルが、現在上映中作品以降のものに更新されてました。なるほど、7本ごとに変えていくわけね。これなら確かに効率的。
 鑑賞した午前十時の映画祭16今コマの上映作品は、ウディ・アレン1979年の作品、作家の男が恋と仕事に悩む様をモノクロ、スコープサイズで描いた『マンハッタン(1979)』(ユナイテッド・アーティスツ初公開時配給)
 ウディ・アレンについては、見る前はただただお洒落な映画を撮る人、という雑なイメージしかなかったんですが、いざ観てみると、洒脱な映像とウイットに富んだ会話の裏で、やってることは不器用で不格好です。すごく割り切って、そのときの恋を楽しんでいるふりをしているけれど、本気になったり気持ちが意外なところで揺れ動いたり、とむしろ翻弄されている。主人公の作家なんか、収入のために、と割り切って放送作家の仕事をしていたのに、毒が抜かれたことに憤って辞めてしまい、生活スタイルを変えざるを得なくなる……なんか賢いこと言ってるふりして実に不器用である。
 ただ、そういうところを敢えてまっすぐに見せているので、不思議と憎めない。だから駄目なんだ、と苦笑いしたくなるし、それは登場人物たちも解っている。この不器用さは終盤で極みに達して、結果、あの立ち位置から、飾り気のないストレートが突き刺さる。さり気ないけれど、実にうまく組み立てられていて、印象が鮮烈です。
 この物語を、モノクロで描いているところも巧いと思う。華やかな景色をきっちりと捉えつつも、白黒の色彩で抑えているので、地に足の着いた雰囲気が出ている。
 ウディ・アレン作品の代表作としてそこまで早く名前の挙がる作品ではないような印象でしたが、これは確かにいい作品です。色気も毒もあるけれど、快い小品、という趣。
 ちなみにウディ・アレンは本篇から40年以上を経て、色々あって事実上、ハリウッドを追放された感じになってます。何があったかは各自お調べください。個人的には、なるべく本人の素行と完成された作品は切り離して考えたいんですが、この『マンハッタン』という作品のテーマと描き方は、現状と照らし合わせると色々思ってしまうのは止められない。余計なことを考えずに楽しみたいなら、作品のこと以外は調べないことをお薦めします。

 上映時間は1時間45分くらいと短め。しかし、久々のちゃんとした外出だったせいもあって、シンプルに疲れています。
 当初は、また日本橋ふくしま館まで歩いて行って、イートインでお昼にしようか、と思ってましたが、まだ色苦楽がそこまででもない。お店で食べると少々まごつきそうなので、丸亀製麺でテイクアウトしていくことにしました。
 が、有楽町駅近くの店舗は、テイクアウトに対応していない。調べたところ、明治安田生命ビルの地下にもう1店舗あって、そちらならテイクアウトに対応している模様なので、そちらを利用してみることに。若干遠いのですが、神田駅の方まで歩いて行くよりはマシ。
 ……お店の場所から察するべきでした。この立地で、お昼時に、混んでないはずがない。
 とはいえ想定を上回る行列ぶりに、一目で恐れを成して、購入を断念。もう仕方ないから、自宅最寄り駅まで戻って、いつものコンビニで買って帰ろう、と気持ちを切り替えた。幸いにして、明治安田生命ビルは東京駅まで繋がっているから、そこから帰ればいい。
 ……繋がっているのは確かだった。しかし、あんなに遠いとは思わなんだ……。
 冷静に考えればこれも当然です。位置的には二重橋駅から大手町駅まで歩いて、更に東京駅まで地下道経由で向かっているわけだ。繋がっていたって、ひと駅どころの距離ではない。雨が降っていたら有り難いけど、ただ単に病み上がりでくたびれているだけの身体には厳しかった。
 どうにか東京駅に辿り着き、電車に乗る頃にはもう、低血糖の手前でヘロヘロ。辿り着いた自宅近くのコンビニで、安かったファンタメロンに飛びついてしまったのは、完全に身体に要求されたからです。
 大人しく有楽町駅近くの店舗でゆっくり食べておけば良かった……。

TOHOシネマズシャンテが入っているビル外壁にあしらわれた、午前十時の映画祭16の上映案内、2026年6月26日以降のラインナップ。
TOHOシネマズシャンテが入っているビル外壁にあしらわれた、午前十時の映画祭16の上映案内、2026年6月26日以降のラインナップ。

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