先週末、母と映画を観に行く予定を立ててなかったら、たぶんこっちを優先していた、という1本を拾いに今日も映画館へ。
行き先は池袋です。陽気は良好、ですが池袋までの道のりは文字通り平坦ではない。自転車だとなかなかハードですし、バイクを駐めるところはけっこうあるんですが、全般に料金の設定が高く、映画を観ると電車賃よりも高くつく。そんな諸々の判断を踏まえ、きょうは電車を使いました。
訪れたのは池袋HUMAXシネマズ。実はTOHOシネマズ日比谷でもかかってるんですが、正直なところ、1ヶ月フリーパスという魅力的な特典を捨ててしまったTOHOシネマズには、無理に通う気がなくなってます。加えて、西武屋上に店を構えるかるかやのうどんも食べたかったので、今回は池袋にしました。
鑑賞したのは、『ヘレディタリー/継承』で一気に注目の存在となったアリ・アスター監督の長篇第2作、北欧の小さな共同体で催される祝祭を、不穏なトーンで描く『ミッドサマー』(PHANTOM FILM配給)。
公開直後から漏れ聞こえていた話で薄々内容の察しはついていました。だから私としては、その着地に持っていくまでの見せ方がどうなのか? というのが最大の関心事だったんですが、これが非常に巧い。スウェーデン訪問の話が出る以前の沈鬱な出来事の心も凍りそうな描写から、白夜の世界で展開する躁的な狂気が蔓延する祝祭への凄まじいまでのメリハリ。あまりにも丁寧に色々なモチーフが盛り込まれているせいで、勘のいい人ならなにが行われているのか想像がつくんですが、だからこそ恐ろしい。また、あえて画角を反転させたり、生物を妖しく蠕動させたり、と見せ方そのもので異様な空気を醸成させる手管もうまい。観ようによってはクレイジーな笑い話とも受け取れますが、しかしその実、考えるほどに「こういう世界があってもおかしくない」と気づかされるのが何より怖い。やっぱりこの監督、ちょっとただ者ではない。
私は映画を観たとき、特に理由がない限り必ずパンフレットは購入している。ですので、本篇を観る前に売店に立ち寄るのが常なのですが、今回は――売り切れていた。まだ封切りから1週間しか経ってないのに。もしかしたら、劇中に出てくる異様な描写の理由を知りたくなったひとが多かったのかも知れません。私だって、展開はおおむね察していたとはいえ、細かいところまで理解しているわけではありませんから、確かめたかったところでした……恐らく後日入荷するんでしょうけれど、他の劇場で別の作品を観るついでに買うか。
鑑賞後は予定通り西部に赴き、屋上で昼食。解っちゃいたけど風が強いし冷たいし。陽射しが強いのと、うどん自体は変わらず美味しいのが救いです。電車に乗るため地下に降りると、ちょうど通り道だし、と食品売り場で夜食を買ってから帰宅しました。
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