レンタルDVD鑑賞日記その690。

 今年2月リリースの『呪われた心霊動画XXX_NEO 05』を鑑賞。ドライブ途中に怪奇現象の起きるカーブミラーを訪れたカップルを襲う恐怖“カーブミラー”、女同士で遊園地に行った帰り道に起きた異変“遠い道”、男女3人で心霊スポットを訪れたとき、忽然と姿を消した友人と、その後の不可解な出来事“友達”など全5篇を収録。
 ああ、やっぱりこのシリーズは安心して観ていられる。スタッフが出しゃばらずテロップも最小限、投稿映像とインタビューのみでしっかりホラー・ドキュメンタリーとして体裁が整っている。
 率直に言えば、映像自体はあんましリアリティがない。出来がいい巻でもその傾向はあるんですが、今回は特に映像の出来がチープ。
 とは言え、展開には工夫があるので見応えは充分。怪異の登場の仕方にひねりのある“カーブミラー”、実話怪談でも時折聞くパターンを映像でうまく捉えた“遠い道”、そしてパターンを敷衍したさきで起きうる展開を織り込んだ“友達”もいい。
 しかし個人的に「やられた」と思ったのは“タクシー運転手の話”です。このエピソードのなにが凄いって、映像的にはチープすぎるくらいチープなのに、見せ方の巧さだけで興味深い仕上がりにしていること。カメラがまともな映像を捉えていないため、エピソードはすべてタクシーのなかで繰り広げられる会話の音声で構成されている。映像だけならたまたまそんなのが撮れただけだろ、と言いたくなりますが、会話があまりにも異様なので、相乗効果で不気味に感じてしまう。これはなかなかの技だと思う。
 ……まあ、こんなのばっかし観続けて嗜好がおかしくなってる奴の捉え方です。映像自体がチープなので、本当に怖い、或いはインパクトのある怪奇映像をお求めのかたにはまったくお薦めしません。その意味ではやっぱりだいぶ低調。私がこのシリーズを評価しているのは、ひとえに“料理の仕方”なのです。

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