あんなに震えるものは初めて見る、と思う。[レンタルDVD鑑賞日記その760]

 昨年5月リリースの『心霊闇動画53』を鑑賞。料理上手の友人の包丁捌きを撮影するはずが思いがけない恐怖を味わう《魚をさばく》、公園で遊ぶ恋人を覗く奇妙な存在の記録《掲示板》、旅館傍に残された古い浴場へ潜入した撮影者が遭遇した恐怖《廃浴場》など、全6篇を収録。
 2作続けて鑑賞することになったのはたまたまです。月額レンタルの出荷順を完全にコントロールは出来ません。
 内容的には、あいかわらずの低め安定。どーしようもなく駄目な出来の映像もないし、ある程度はホラーの怖さも味わえるけれど、ドキュメンタリー部分の仕込みや、映像そのものの掘り下げも乏しく、如何にも低予算、短期間で仕上げまで持っていっている感じ。それでとりあえず、ちゃんと怪奇映像好きの需要にハイペースで応えようとしている点こそこのシリーズの良さです。だから指摘はするけど別にそんな問題には感じなくなってたりする。
 実際、どうしても画一的になる展開にちょっとしたひねりを加えるくらいの工夫はしている。《魚をさばく》は入手ルートと、怪異の背景を探る流れがちょっと普通と違っているため、取材部分の甘さが却って“怪異の出所が解らない”という怖さを演出していますし、怪異にパターンが存在することを示唆した《奇妙な動き》も、アイディアとしては面白い――でも、言うほどこんな変な映像を紹介してたっけ、という違和感は与えてますが。
 基本的に怪奇ドキュメンタリーはごく一部の例外を除いて購入はしてないのですが、しかしこのシリーズ、どういうわけかAmazon.co.jpではやたらと安い巻がある。購入して買い支えてあげるべきか、と思う一方で、やっぱり手許に置くほどクオリティは高くないのだよな……とりあえず引き続きレンタルにて追います。

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