彼女はまだどこかにいるのだろうか？［レンタルDVD鑑賞日記その807］

　4月3日に、2021年8月リリースの『呪われた心霊動画XXX総集編６』を鑑賞。ビデオメッセージという奇妙なかたちで投稿された映像《無限リツイート》、海外旅行の何気ない撮影が、いつしか関係者を異様な事態に巻き込んでいく《ドイツ旅行》以下の連作、友人とともに心霊スポットを訪ねた際の映像に記録された違和感とその恐るべき顛末《恋人》など、全９篇を収録。
　いまいちばん安定感のあるシリーズ、総集篇としては現時点でラストとなる第６巻。
　やっぱりこのシリーズのレベルは高い。こうやってベスト級のものを並べると検めて実感します。今回は連作をまとめて採り上げているものが多いので、エピソード単品なら「そこまでいいかぁ？」と首を傾げる程度ですが、ある映像が次の怪異を呼び、やがて闇のに見込まれていくような展開には慄然とします。
　とりわけ巻末を飾る連作は、このシリーズの前身となる『死画像』から登場するアレに絡むもので、その拡散ぶり、シリーズとの因縁の深さが怖い……もちろん、ひとつのシリーズにここまで都合よくハイレベルな映像とエピソードが集まるのが異常なのですから、これもフェイクであることは百も承知で言ってます。しかし、フェイクであってもこういう連続性がきちんと恐怖に繋がる組立は賞賛に値する。
　１本１本の動画、それぞれのエピソードだけ切り取ると、作りすぎじゃないか、さすがに変なこと起きすぎだろ、と不審に思わなくもないですが、質と量が圧倒的で、それが不満になることはまずない。すべてインパクト強めですが、個人的なベストは《恋人》。肝心な映像は、怪奇現象でない普通の映り込み、と言われても頷ける程度ですが、２つのカメラで別角度から不自然な言動を記録していて、それが問題の怪異で恐怖が凝縮されていく感じが実にいい。