爆笑問題withタイタンシネマライブ#88 at TOHOシネマズ日比谷。

　4月19日の映画鑑賞のあと。
　場所は移って、TOHOシネマズ日比谷――まあ、目と鼻の先である。
　とはいえ、コンセッションが混むと困るから、とさっさと移動してみれば、案の定。またぞろ上映開始時間が近い作品が多いせいでけっこうな混雑になっていた。さっさと並び、無事に軽食を確保して、やや早めに開場していたのを幸いと、早々と着席しました。

　本篇前のオープニング映像は、ウエストランド単独ライブのソフト＆配信リリースのお知らせ。最近、ここはほぼウエストランドの宣伝です。まあ、爆笑問題を別格とすればタイタンのエースだし、大きく宣伝する材料があるのもたぶん彼らくらいだから致し方ない。
　本篇のトップバッターは関西出身の双子芸人、ひらおか族。彼らのネタはほぼ双子の芸人としての悩みに集約されている。色々頷けて好きだけど、どうしても色々な双子の芸能人を憶えている（知っている）前提になっているのがネックになりそうな予感。２番手はガールズナイト。もはや世間的に定着した感のある、あの類の舞台をネタにしている、と思いきや、そこでひとひねりしている。でも、もうちょっと掘り下げて欲しかったかも。３番手はしびれグラムサム。このふたり、だんだん巧くなってます。以前は風変わりなツッコミばかりが際立ってましたが、ボケもなかなか強烈になってきて、それに合わせてツッコミが更に良くなってる。
　続いてはタイタンの学校６期生のための特別枠として、藤元達弥。何と、個人事務所を構える現役の弁護士なのに、何故か芸人まで始めたらしい。しかもギターとブルースハープを構えた歌ネタ。弁護士バッジまで付けて、しっかりと弁護士というキャラクターを活かしたネタになっていて、正直に言って、ここまででいちばん盛り上げていた。
　５番手はまんじゅう大帝国。パントマイム、というわりと馴染みのある趣向を採り上げた漫才ですが、初期から工夫の豊かなこのコンビがやるとひと味違う。お約束感を演出しながら、あまり見たことのない笑いに仕立てていきます。６番手は脳みそ夫。ちょうど『名探偵コナン』最新作が公開されたばかりだからなのか、名探偵ものをネタにしてます。一時期、映像も駆使したネタで新機軸を示してましたけど、また元に戻ったのね。お次はネコニスズ。このところずーっと、見た目の気持ち悪さがレベルアップした舘野を軸にしたネタをやってますが、今回も気持ち悪い。しかし、だからヤマゲンのぶち切れたツッコミが効くのです。
　８番手はシティホテル３号室。このコンビも、ネタは高レベルで安定してます。今回はテレビショッピングを題材にしていますが、展開のひねりと膨らませ方が絶妙。どこかでありそうに思えるのがいい。続いてはキュウ。ことわざを間違って憶えてしまう、というぴろのネタ振りが、どんどん雪だるま式に異様さが増していく感じがたまらない。あんなツッコミが成立するのはたぶんこのコンビだけでしょう。お次の春とヒコーキは、歯科医院での出来事。途中までは面白かったんですが、終盤はなんとなくイメージが掴めず、乗れなかった。
　ここでようやく最初のゲスト、納言。ラジオのお悩み相談をやってみたい、という趣向で展開します。人気が出始めた頃と比べて、ボケとツッコミの仕掛けがちょっと変わってきてる。出たての頃より厳しくなったコンプライアンスに配慮したのかも知れませんが、お陰でコンビとしての目立ち方のバランスが取れた気がします。個人的には前より面白い。お次はヤーレンズ。連日舞台のハシゴをしている、という武者修行真っ最中らしい彼らのネタは、半分くらい枕でした。ほとんど台本を感じさせないやり取りであそこまで引っ張るだけでも尊敬してしまう。
　続いてはタイタンの若頭、ウエストランド登場。河本の前時代的な思いつきが結果として井口をヒートアップさせる、という展開。井口のキレ芸が主軸、というのは変わってませんが、ちゃんと違った趣向を用意してくるのが嬉しい。
　ゲスト枠としての実質的なトリはハリセンボン。漫才の体裁で、しっかり客いじりしているのを見るのは初めてな気がします。カラオケで歌うとどうしてもそばが食べたくなる、という謎のフリから発展していくネタですが、しかし感心するのはお客の転がし方の巧さ。ライブをやっている会場も同時中継されている映画館も、お笑い慣れしている客ばかりであることをよく解って振る舞っている。さすがベテランです。
　大トリ前はお馴染みのＢＯＯＭＥＲ、年に１度くらいある、プリンプリン抜きでの出演です。とはいえ、やってることは概ねいつもと一緒。今回もバンダナとサングラスが出てきます。
　そして大トリは爆笑問題。色々と暗い話題が相次ぐなかで、やっぱり大きく採り上げられるのは大谷翔平まわりの件。このところ毎回ネタを飛ばしているらしい田中さん、しかし今回は飛ばしていなかった……と思う。
　エンディングトークは、完全にコロナ禍前の状態に戻り、タイタンメンバーがまとめて登場すると、細かな宣伝のあと、ゲストも順次登壇し、最後は勢揃い。同じ時間から始まるライブを自転車でハシゴして出演するヤーレンズを井口が目撃してイジっている、というくだりがおかしかった。舞台衣裳で自転車漕いでれば、そりゃあイジりたくもなるわ。
　次回は6月14日。今度もハシゴするなら、夕食を摂れるだけの余裕は確保しなきゃ駄目だな、と痛感しながら帰宅……軽食は入れたけど、やっぱり先に食べないとお腹が空くし、微妙に集中力がなくなるわ……。