8月23日の記事を書いたあとのこと。
記述どおり、やや早めに自宅を出て、軽く用足しをしてからTOHOシネマズ日比谷へ。相変わらず、並んだ列によって費やす時間が違う運任せなコンセッションに15分ほど並んでどーにか確保してスクリーンへと移動……もう、お願いだから、繁忙期のコンセッションは待機列をひとつにまとめてくれ。時間がまったく読めないのよ。
ちなみに座席は右端側、通路によって仕切られ2席しかないところ。前方は通路の上に位置する手すり、そして唯一隣接する左側の席は、誰も来ない。正直、むっちゃくちゃ快適でした。隣に気を遣わなくていいし、前を遮るものもない、普段は決して選ばない席なんですけど、昨今の映画館の観やすさなら、ここもありなのかな、と思い始めてしまった。
本篇前の劇場限定映像は、TITAN KIKAKU LIVE(仮)のワンシーン。抜き出しすぎて、何をやってるのか微妙に伝わりづらかった……が、とりあえずネコニスズの舘野の選んだ芸風は、やっぱしちょっと気持ち悪すぎると思う。
本篇トップバッターは、最近定位置だったしびれグラムサムに代わり、ガールズナイト。『THE FIRST SLAM DUNK』の楽曲を引用して、バスケットボール部に伝説の顧問が就任した、というシチュエーション。着眼はいいと思うんだけど、バスケの専門用語がいまいち伝わらないのか、序盤は客の反応が鈍かった。動きが着いてからは持ち直してましたが、本人たちもヒヤヒヤしてたのではなかろうか。
ふた組目はネコニスズ。相変わらず、なんでそっちに行ったのか解らない、舘野の赤ちゃんキャラで組み立てたネタ。面白いんだけど、本当に気持ち悪いし、たぶんアメリカでは通用しない。
3番手は脳みそ夫。今回は婚活中の緑茶子です。一時、映像を駆使したネタで新機軸を開拓してましたが、けっきょく以前の、テーマを絞った駄洒落を積み重ねるスタイルに戻っちゃってる……ただ、芸歴を重ねて円熟してきたのか、それなりに笑えてしまうのよね。ときどき謎の拍手を要求するくだりも。
お次はまんじゅう大帝国。竹内が生活の裏技を説明する流れ、かと思いきや、そこに異物を混入させて、相方の田中をどんどん翻弄していきます。このコンビはもともと、ひたすらボケにボケを重ねるスタイルだったのが、ある時期から正統派のボケツッコミに移行していたのですが、今回は昔のスタイルの妙味を蘇らせていて嬉しかった。
5組目はシティホテル3号室。最近、どんどんとネタのクオリティが上がっているのを感じてましたが、それを証明するように今季のキングオブコント注目株になってるらしい。そして今回のネタも、バラエティ番組が好きなひとが薄々思っていたことを的確に昇華した内容。実際、登場人物みたいな勘繰りをしたくなるでしょうし、そう思わせるシステムの罪深さ。彼らは『水曜日のダウンタウン』に感謝すべきだと思う。
続いて今回最初のゲスト、初登場のシシガシラ。芸人としては理想的なルックスを持つ脇田の、それゆえに生じた弊害をネタとしてイジってます。本当にそうなのかは解らないけれど、実際、ネタと同じような受け答えになるのも頷けてしまう。脇田は実にいいキャラクターです。
7番手はふた組目のゲスト、ダウ90000。ネタ番組などではメンバーを絞ったネタを披露することもありますが、今回は8人全員のネタ。現実でもちょっとありそうなひと幕を、相変わらず絶妙な間と、尺に対してしっかりと組み立てられたキャラクターで演じる巧みさに、笑いつつ唸らされます。それにしてもこのネタに出てくる人、みんな生きるのが下手そうである。
8組目はタイタン組に戻り、キュウ。私は基本的にこのコンビのネタが好きなんですが、今回は特に好き。日本語に存在する厄介さを、とんでもない発想でキラーフレーズに変換する、彼らのスタイルの集大成だと思う。このネタ、もう1回観たい。
お次は春とヒコーキ。最近、注目度が上がっているコンビで、基本的にネタのクオリティは高いんですが、今回はだいぶ序盤で首を傾げてしまって、いまいちハマらなかった。出だしの発想、たぶん観客に伝わりにくいのだと思う。ぐんぴぃ単独での露出が増えて、打ち合わせが足りてないんではなかろうか。終盤はそれなりに面白かったけれど、個人的には、彼らとして不出来な方だと思いました。
10番手ふたたびのゲスト枠、お久しぶりのアイデンティティ。相変わらず、田島が野沢雅子の扮装で悟空の物真似をしてボケていくスタイルを維持してます……いや、もはや元に戻れないのでしょう。ただこのコンビ、野沢雅子という仕掛けを手に入れる以前から、ネタのクオリティは高かったので、野沢雅子一辺倒になっても、ちゃんと毎回ネタは新しくしてますし、違った面白さがある。今回は、ドライブにまつわる出来事がいちいち野沢雅子に変換されていて、もはやカオス。世間が野沢雅子という人物を忘れない限り、たぶんこのコンビはこのスタイルを抜け出せません。
続いてはベテラン、つぶやきシロー。こちらも不動の、独自の着眼点でムカつくことに、ちょっとした呪いをかけようとする流れを畳みかける。あまりにランダムに進めていくので、観終わって細部を覚えてはいないんだけど、観ているあいだはただただ面白い。この人も何だかんだで円熟の域に達してます。
次は実質最後のゲスト、えびしゃ。ツギクル芸人グランプリ優勝の副賞として、各事務所のライブに出演させてもらえる、という企画の一環らしい。名前を聞くのも初めてだったんですが、確かに面白かった――品はないし、けっこうセンシティヴなところに安易に触れてるのがちょっと気になりますが、この設定ならではの面白さはしっかり引き出してる。演技も間の取り方も巧く、確かに完成度は高かった。
13番目に登場するのは、いまやタイタン若頭筆頭のウエストランド。前々回のライブ後にやらかした河本が、珍しくネタの序盤を牽引し、途中から井口が例によって爆発する。井口の偏見が大いに混ざってるけれど、ココでの河本の立ち居振る舞いはいい感じに観客の苛立ちも誘うので、井口の罵倒がちょっと快感ですらある。M-1優勝以降、多忙もあって、決勝で使ったあるなしクイズの応用ばかりになってましたが、露出が増え芸風が完全に確定したことで、ネタがまた広がってきたようです。
大トリ前は毎度ながら、実質的なレギュラーのBOOMER&プリンプリン。いちおう新ネタらしいんだけど、新た示唆はまったく感じません……構成や展開が違うだけで、細部はいつもやってることの繰り返しです。毎回、大トリ前で尺を伸ばすせいで、予め「10分で収めろ」と釘を刺されたのを何度もこする、そこが一番面白かった。
そして大トリはもちろん爆笑問題。今回はほぼほぼパリオリンピックでした。ちょっと脱線してもすぐに戻ってくる。にも拘わらず、終盤、そんなクオリティが高いわけでもないボケひとつを放つために、ちゃんと流れを作るあたりに太田さんの真面目さが垣間見えるのでした。しかもそれを言っちゃうし。
エンディングトークは……記憶が曖昧です。この日午前中でけっこう消耗したのと、内容を書き留めたメモが、何せ暗闇の中で記しているせいでスペースが無くなり、無理矢理狭いスペースに書き込もうとした結果、ろくに読み取れない代物になってしまって、記憶を蘇らせるきっかけも失ってしまったのが原因です。暗がりでも書ける筆記具はないものか。
鑑賞後はまっすぐ帰宅――のはずだったんですけど、思わぬトラブルで、駅に入るところで足止めを食らってしまった。
原因はApple Watchです。基本、夜寝るときには充電器に繋げるので、朝には電池は満タンになっている。基本的にはそれで当日の夜まで保つんですが、今回は、本篇が始まる前にシネマモードに切り替えようとしたら、電池残量が12%になっていた。これはマズい、とモードを切り替えるついでに省電力モードを設定したものの、シネマライブが終わったとき、シネマモードを解除しようとしたところ、電池残量1%。
どうやらApple Watchは、電池がゼロの状態ではFeliCaに対応出来ないらしい。どーやっても改札を通れず、やむなく、予備的に持っていたPASMOを利用しました……これも、だいぶ前にチャージ分をほぼ使い切っていたため、駅の端末でチャージせざるを得ませんでした。今日は現金、出さなくて済むはずだったのに。
Apple Watchはときどき、やたらと電池の消耗が激しいことがあるので、いちおう用心はしていたのですが、今回は完璧に油断していました。出かける前には、電池残量と消費速度の確認はするべきらしい。
次回のシネマライブは10月11日。今年もあのイベントがあるため、私は次回に限り河岸を移します。
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