爆笑問題withタイタンシネマライブ#98 at TOHOシネマズ日比谷。

 12日の映画鑑賞のあと、本題であるタイタンシネマライブです。
 しばらくのあいだTOHOシネマズ新宿を軸に映画を観ていたため、シネマライブでは4ヶ月ぶりのTOHOシネマズ日比谷です。そのあいだに日比谷は、上野と同じくモバイルオーダーシステムを採用しました……このところずっと、繁忙期の混雑が深刻な状態だったので、手を打つのは当然だと思う、けれど、このシステムにすると必然的にドリンクバーになってしまうのが辛い。
 そこで、12日午前中の段階では、『WEAPONS/ウェポンズ』鑑賞前にドリンクバーだけ購入、ドリンクをシャンテまで持っていって飲みきり、戻っておかわりをする、ということを考えた。果たして公式に認められるやり方なのかは微妙な気がしますが、同じ系列の劇場がこれだけ近場にあって、一方だけドリンクバーを実施しているのですから、こういうやり方は許容されてもいいのではなかろうか。曖昧ながらそう信じて、利用するつもりでした。
 が、寝坊したために、動線がやたら間延びしているTOHOシネマズ日比谷に向かう余裕はなく、結局は普通に、シネマライブ直前に買う羽目になりました。まあ、おかわりは持ち帰ってもよさそう――少なくとも、上野ではそれがアウトとは言われなかった――ので、そういう形で活用する。
 ただ、残念ながら、混雑緩和の対策にはなってませんでした。
 フードとドリンクの注文を券売機にして、番号で呼び出す形にするため、グッズ売り場の場所も変えたりしているのですが、結果として、人の流れが制御出来なくなっており、無茶苦茶動きづらい。
 しかも、提供もだいぶ手こずっているらしく、余裕を持って注文しても、やっぱり10分以上はかかっているので、余計に提供口に人が滞留してしまって、如何ともし難い状況でした。せめて、映画鑑賞前後、入場する人と退場する人の列を綺麗に分けて、フードの提供を待つ人が邪魔にならないようにして欲しい。いつか事故になるぞ。
 別の理由もあって、入場が遅れてしまい、今回は映画館限定の特別映像が観られませんでした……なんか、昨日から移動で躓いてるな……。

 色々ありましたが、何はともあれ、本篇はぜんぶ観られました。
 トップバッターはタイタンより初登場のバターヤング……夏頃に色々と騒ぎのあったことで、芸よりも先に名前をちょっと知られてしまいましたが、ネタは安定した仕上がり。スポーツ選手が病気の子供を励ます、という、有名なシチュエーションを巧みに弄ってます。まだまだ伸びしろはありそうなので、ちゃんと名前を覚えておこう。
 2番手はタイタンより須藤ジム。身に覚えのない罪を被せられた、と訴える男が国選弁護人に切々と訴える、というくだりなのですが、割とすぐに笑いに触れていきます。お笑いをチェックしている人ほど笑ってしまう、いい着眼点。結論だけはちょっとピンとこないので、あの台詞が出てくる必然性をもうひとつ加えて欲しかった。
 ここでタイタンの弁護士芸人・藤元達弥が出てきたら、それだけで笑いが湧くところですが、実際に登壇したのは春とヒコーキ。このところ、ぶっ壊れた土岡にぐんぴぃが翻弄されるネタが多いのですが、今回の土岡の壊れっぷりは凄まじかった。彼の天文部は果たして存続出来るのか。
 4番手はシティホテル3号室。フィクションの決闘でよく見るシチュエーションを膨らませて切りこみます。巧みな着眼点をシュールに拡げて丁寧に突っ込んでいくスタイルが、稚気を残しつつ円熟味を増している。終わり方は再考の余地がありそうだけど、面白い。
 お次はまんじゅう大帝国。バラエティ番組ではわりと途切れずにどこかでやっている無人島サヴァイヴァルを、その場で動揺しないよう練習したい、というシチュエーション。そこまでは解るのですが、そのあとは完全にまんじゅうワールド。近頃はちゃんとツッコむことも多い田中永真が、今回はひたすら乗って、どーしようもない展開をしていきます。小道具がない漫才のスタイルだからこそ出来るネタで、この技法とネタの合わせ方は評価されていいと思う。
 続いては最初のゲスト、青色1号。正直に言えば、私は彼らを知りませんでした。しかしネタを観ると、もっと気にしていてよかった、と後悔してます。だって、完全に東京03フォロワーとしか思えないネタなんだもの。飲みに誘われると面倒くさい先輩をどうするか、という趣向で、ふりからオチまでまとまってるんですが、趣向があまりにも東京03ライクで、あちらが演じたらもっと細部が引き立ちそうだな~、と意地悪なことを考えてしまった。ネタ自体はいいので、あとはどうキャラを立て、初見でも伝わるインパクトを生み出せるか、だと思う。
 続いてはネコニスズ。相変わらずの赤ちゃんキャラを押し通す舘野が:無欲の赤が大型バラエティを回す、というシチュエーション。どう考えても成立しないものを成立させようとする舘野と、強めでかつまともなツッコみで軌道修正を図るヤマゲン、という構図がすっかり板についてます。こんどのM-1は敗者復活に賭ける状況らしいですが、ハマれば強いとは思うのだけど。
 ここでふた組目のゲスト、ファイヤーサンダー。現実にもときどき起こるという、乗務員が「お客様のなかにお医者さまはいらっしゃいますか?」というアレを、特異にこねくり回してます。その結果、情けない台詞が格好良く聞こえてしまう、それがまたおかしい。爆発力のあるいいネタ。
 9番手は個人的お気に入りのキュウ。今回はぴろの怖い噂話が好き、という導入から奇妙な世界に引きずり込まれていきます。相変わらず好きなタイプのネタではあるんですが、問題は、途中のワードが特定のジャンルについての知識を持ってないと意味不明すぎること。まあ、タイタンのライブに来ているような人なら大丈夫か。
 お次は脳みそ夫。本日は漬物中学生・香の物美だそうです。この方、ネタ終盤のいちばん強めのところで観客に拍手を求めてくるのがお決まりなんですが、今回は2回ありました。1回でいいでしょ。ネタの展開はいつもの通り。恋愛が絡まないことが珍しいくらいでした。
 ここで3組目のゲスト、ヤーレンズ。とにかくこのコンビは本筋以外の悪ふざけが印象的で、どういうネタが主軸だったのか忘れがちです。要は、そろそろ結婚したい、というフリから拡げてい、ちゃんと元の場所へ着地するんですが、きちんと稽古を重ねて生み出した自由自在さが見事。
 引き続きゲスト枠、コントの名手ラバーガールです。これから子供を入園させようという父親が見学に訪ねた保育園が変、という趣旨。仕掛けがだいぶ突飛ながら、解りやすく面白い。個人的にはオチはあんな逃げるような出し方でなくて、しっかり落として欲しかった。
 正しい意味でのゲスト枠最後はひつじねいり。名前は聞いたことがあるけどネタは観たことがないコンビでしたが、個人的にはけっこうツボでした。昨今の厳しいコンプライアンスに対応しつつも、ちゃんと自分たちの容姿を活かしている。基本的にどっちも間違ったことは言ってなくて、ボケがただただ発想が極端なだけなんですが、見事に笑いになってました。他のネタも観てみたい。
 14組目はタイタンの若頭ウエストランド。井口が「たまには褒めたい」と言い出した時点でだいたい流れは解ってるけれど、彼のやり口がしっかりと世間に浸透している今だからこそ効力を発揮するネタ。しまいには観客にまで飛び火させてましたが、終盤はまさにこのタイタンライブならではの面白さでした。
 ここでいちおうゲスト枠のトリ、BOOMER&プリンプリンが登場。私もこのノラシネマライブをだいぶ長いこと観続けてますが、このユニットの板付きであれほど笑ったのは今回が初めてだったかも知れません。ハリー・ポッターをもとにした相変わらずの文化祭みたいなネタでしたが、もうこれはこれでいいのか、と思ってしまった。
 大トリはいつも通りに爆笑問題。ウエストランド井口のやり口を賞賛しつつ、流行語大賞や高市早苗新総理などを軸に時事ネタを仕掛けていく。そして、夏頃に世間を騒がせたあの預言まで押さえて、1年を締めくくりました。

 ゲストが多いので、エンディングトークはかなり長かった気がします。気の毒なのはファイヤーサンダーです。初登場は2年前、折角タイタンライブに呼ばれて、爆笑問題にイジってもらえる、と思ってたら、同時に呼ばれたのが西川のりお師匠で、ほとんど場を支配されてしまった。そして今度こそ、とやって来たら、ゲストが多すぎて、エンディングトークで絡んでもらう余裕があんまりない。不憫である。ネタはいいのに。
 次回はタイタンライブ30周年、そしてあと2回でシネマライブも第100回ということで、2月6日、7日に2Daysで実施するとのこと。生の会場も従来の共同通信ホールではなくLINE CUBE SHIBUYA、チケットは12月13日10時に、ライブもシネマライブも同時発売――ということで、この項を書き上げた時点で、私はとっくに購入しております。折角だから生の舞台で、と思わなくもなかったのですが、今月は既に大物のチケットをひとつ押さえてしまっていて、これ以上出費が嵩むのはきついので、我慢しました。

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