松江旅行2023冬、準備期間および1日目。

 当初の予定では今日から3日間、島根県松江市にて、3年ぶりの松江怪喜宴が開催されるはずでした。
 が、昨年12月時点、まだ増加に歯止めのかからなかったCOVID-19の対策が充分に出来ない、という判断から酒林堂がまず実施を断念、残る松江怪談談義は、演者の小泉凡氏に名誉ある賞が授与される日がここに重なり、併せて木原浩勝氏もフランス渡航の予定が入って中止となってしまった。
 その時点で私も、予め押さえた飛行機や宿をキャンセルしても良かったのです。が、3年以上も現地を訪ねていなかった私には、
「イベントと関係なしに松江行きてえ」
 という感情が沸き起こってきてしまった。
 かくて、大きな目当てもないまま、久しぶりの松江旅行と相成ったわけです。

 ……しかし、先週の日曜ぐらいから、ずっと戦々恐々としておりました。
 確か15日頃から、23日より今季最強の寒波が訪れる、という予報が出始めた。まさか、と思い、2週間予報を参照すると、本当に雪マークが増え始めている。
 当日が近づくにつれて、どんどん雲行きが怪しくなってきた。23日には翌日から最強寒波が襲来とされ、航空各社は24日、25日の遅延、休航の可能性を示唆し始めた。それ以降、逐一気象状況を確認し続けました。しまいにゃライブカメラで現地の状況を視覚でも確かめる始末。
 いよいよ寒波が襲来した24日は、ライブカメラ映像を眺めては戦慄しておりました。深夜0時過ぎに、真っ白な滑走路に激しく吹雪が舞っている映像を眺めながら、今週末ここに行くのか、っていうか、飛行機発つのか? という具合で。宍道湖大橋に設置されたライブカメラなんか、車道に轍すら見えてなかったんだが。
 しかし25日、26日と次第に気候は落ち着いてきた。相変わらず、強風や大雪に見舞われる地域もありますが、東京は雨が降る程度、松江のほうも曇ってはいるけれどひどい吹雪になっているわけでもない。どうやら当日、飛行機は発ちそうだ、という確信が持てたので、26日は久々にスーツケースを引っ張り出し、詰められるものはさっさと詰めていく。前日、お腹を下したせいで充分に出来なかった透析も、可能な限りやっておいた――またぞろお腹がぐるぐる言い始めたので予定より短くなりはしたものの、とりあえず「ここまでは引いておきたい」というところまでは引けた。
 そして本日朝。生憎と今回は、旅行透析の枠が確保出来なかった――っていうか、ある段階からもう、旅先での透析は諦めてました。間隔が開きすぎないよう、出発前の短い時間を使って、可能な限り透析と除水を実施することに。気分が昂揚していたのか、いつもよりだいぶ早く目が覚めましたが、何のかんので確保できたのは1時間45分くらい。基本、このくらいの時間帯はトイレに駆け込む可能性が高いので、精神的にもまあまあギリギリの戦いを強いられてましたが、なんとか「ここまでは引きたい」というところまで除水も出来た……なるたけ引いておかないと、旅行中の食事が楽しめないしね。
 バタバタしつつ自宅を出て、羽田空港へ。昼食にはいつも、搭乗口近くの《Cuud》を利用するのがお約束になっている。毎回それなりに並ぶので、その時間も勘案して早めに……来てみたら、スムーズに着席出来てしまった。私が食べているあいだに若干、列は形成されたみたいですが、なんかそこまで余裕を取る必要はなかったかも。
 ブラブラして時間をひたすらに潰し、予定通りに搭乗開始。出雲縁結び空港上空の強風により引き返す可能性を示唆されてちょっと身構えましたが、予定より20分遅れの15時45分にどうにか着陸。案内所にて、一部交通手段が3日間使い放題になる《縁結びパーフェクトチケット》を購入し、これを使って松江方面の高速バスへ。
 さすがにあたりは雪景色です。しかし、幸いにひとまず降雪は止まっていて、道路は思いのほかスムーズ。しかし問題は、降りてからでした……宍道湖大橋を見下ろすライブカメラを随時確認していて薄々察してはいましたが、歩道がぜんぜん雪かきされてない。出歩く人も多くないのか、積もった雪の下に固いアイスバーンが隠れているような道をえっちらおっちら歩き、体感では以前に訪れたときの倍くらいの時間を費やしてよーやくホテルに到着……まあ、そのあとも色々とゴタゴタありまして、落ち着くまでには更に時間がかかり、やっとひと息ついたのは18時頃。

島根県庁付近から銅像越しに望む夜の松江城……絵面が寒い。
島根県庁付近から銅像越しに望む夜の松江城……絵面が寒い。

 しかしまだ休むわけにはいかない。松江に来たら、まずはここで食事をする、と心に決めていた、麪屋ひばりというラーメン店を目指して、松江城方面へ。当然、こちらの道も除雪されていないところが多く、何度も足を取られながらひたすら突き進む。毎回のように、「ここのお堀は油断していたら落ちる」と思っていたのですが、今回は本気で怖かった。
 これでお店が悪天候のため早じまいでもしていた日には目も当てられない――なので、開いているのはちゃんと電話で確認済です。想像以上に時間はかかりましたがどうにか辿り着き、あごだし白湯らぁめん、半熟玉子トッピングを堪能……毎回おんなじメニューなので、今日は違うのにしようか、と考えていたんですが、疲れすぎて忘れてたよ。

麪屋ひばりのあごだし白湯らぁめん、トッピングは半熟玉子。
麪屋ひばりのあごだし白湯らぁめん、トッピングは半熟玉子。

 もう帰りはタクシー捕まえたろか、とやけになりかかりましたが、栄養補給して気力が恢復したので、意を決して徒歩にてホテルへと向かう。行きよりも歩きやすくなった、のは無理矢理突き進んで慣れたからだろうか。折りたたみ傘では心許ない、と意地で持ち込んだ愛用の傘が、ここでは杖として本気で役に立ちました。て言うかスキーのストックだよこの使い方は。
 コンビニで軽い食事を買ってきて部屋に戻ると、移動中、というか出発以前からちょこちょこ書き進めていたこの項を、こちらでも東京と同じ時間に流れている『チコちゃんに叱られる!』を横目に仕上げて、よーやっと一息つけました。
 実のところ、昨日までに仕上げたかった作業が終わっていないので、このあとも家にいるのと同様にパソコンに向かわねばなりませんが、しかしそれ以外の時間は、松江の空気を堪能したいと思います……っていうか、明日も明後日も雪の予報なので、きょうの道路の様子ではそうそう遠出は難しい。松江城からそれほど遠くない範囲をうろちょろするだけになりそうです。

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