映画で中国を練り歩く。[大成龍祭2011(13)]

 先週は徹夜イベント明けで、きついのが目に見えていたのでスルーしましたが、今日はむしろ意地で大成龍祭2011に参加するべく六本木へ。金曜日からこっち悪天が続いているので、当然のように電車です。

 ただ、せっかく六本木まで足を運ぶなら、フリーパスもあることだし、1本で済ますのは勿体ない。先週のうちにスケジュールをチェックして、土曜日封切りの作品がちょうど都合のいい時間に設定されていたので、これを押さえるつもりでした。

 が、いざ出かけようとしたとき、ふと思い立ってインターネットで空席状況を確認すると――8割近く埋まっている。うわこいつぁヤバいかも、と思いましたが、満席で弾かれるようなら、どこかに立て籠もって作業をして、ネットでチケットを確保済の大成龍祭作品上映開始までいればいいや、と考え、ノートパソコンを携えて出かけました。

 到着してみると、混雑はしていますが、辛うじて満席ではない状態。しかもこちとらお一人様なので、あちこちに残っていたひとマスだけの空き席に紛れ込み、ふだん好んで取っているのとさほど変わらない場所を確保出来ました。ほっ。

 どうにか鑑賞出来た本日1本目は、開戦前夜の上海を舞台に、謀略と愛憎の狭間で生まれる悲劇を描いたサスペンスシャンハイ』(GAGA配給)

 奇しくも昨晩鑑賞した『ザ・ライト』と同じミカエル・ハフストローム監督作品……まあ無論、これを今日観るつもりだったから、昨晩敢えて押さえておいたわけですが。ファッションや美術に若干違和感を覚えること、背景が錯綜しすぎて全体像が捉えづらい、といった欠点はありますが、トータルではなかなかに味わいのあるサスペンスです。様々な想いが交わるクライマックスは、カタルシスこそ味わえないものの、しかし虚しくも切ない余韻を残す。私はこの監督、けっこー好きかも。

 鑑賞後、急いで下の階に移動して、今週の大成龍祭に臨みました。ジャッキーがもういちどハリウッドに挑んだ作品、NY市警の刑事として香港に乗り込み麻薬シンジケートと対決する『プロテクター』(東宝東和配給)

 ……私はそれなりに愉しかったんですが、人に薦められる出来かと問われれば、首を傾げざるを得ない。『バトルクリーク・ブロー』よりも海外の観客の関心をより積極的に惹こうとした結果、舞台を香港に、更にジャッキー作品としては異例に過剰のお色気を投入する、という方向にスライドしたようですが、単なるC級作品になってしまった感じ。アクションの描き方はそんなに悪くないので、私は愉しんだんですが、色々と苦笑する代物でした。

 来週の大成龍祭はふたたびサモ・ハン・キンポーと組んだ『七福星』です。……ああ、その前に、前回観逃した『大福星』を拾っておかないと駄目か。

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