『苺ましまろ』第十二話

 八月から始まったアニメ版『苺ましまろ』もとりあえずこれにて終了。初雪編+クリスマス編、かと思いきや、基本的にクリスマス編のアレンジでした。冒頭は初雪編だけど、全員原作以上に活動的です、怖ろしいことに伸恵まで。

 毎回のように伸恵が原作と比べていいお姉さんになってます、と訴えてましたが、最終回でピークに到達。原作じたい、まだサンタを信じている茉莉の夢を守ってあげるためにわざわざ仮装までして侵入する、というエピソードなのですが、実は……というアニメ版独自の追加エピソードで更に人の好さが強調されてしまいました。いいのか、と思いつついい話になっているから良しとしよう。

 これも毎度文句をつけている作画も、最終回だからなのか若干安定傾向でした。背景に白が増えたので、そのせいで全般に絵が落ち着いた、というのもあるんですが。

 総話数に気づく前の、季節のエピソードを丁寧に辿っていくのでは、という私の予測は少しだけ当たっていたようで、エピローグはちょっとした小細工込みで話を春に戻してます。原作の設定を踏まえたお遊びを複数盛り込んでいますが、正直ちょっとやりすぎている嫌いはある。笹塚くんのくだりは特に。先生ただの変な人やん。しかし、この作品にとって一番大事なことにちゃんと言及しているので私は許そう――何事もなかったかのように季節は巡る。確か千佳と美羽は六年生なので次の春が来たら中学生にならなきゃあかんし伸恵もあの設定だと卒業していて然るべき……とは限らないけど*1、まあとにかく、そういうのを無視して延々と世の中の隅っこでかわいさを主張し続けるのがこの作品なので。

 絵柄には未だ微妙に引っかかりを覚えてますが、全般としてはまあ良質なアニメ版と言えると思います。もし第二シリーズが始まるなら、また付き合ってもいいぞ、と約束できるくらいには。

*1:世の中には留年というものもある。

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