『地獄少女』第五話 高い塔の女

 今回はよく捻ってあるなあ、と思ったら――おまわりさーん、ここに悪徳霊感商法やってる人がいますよー。先にネタ仕入れておいて、依頼をしなければならない状況に追い込んでおいてから仕事に持ち込むなんて完全に霊感商法の手口やん。珍しく裏付けの段階から話を進めているのに感心していたら、その裏付けを何かに役立てている様子もないし、そもそもこれまでの話で裏付けなんか一切していなかったのだから、今更過程を描く意味はなく、もし過程を描くならそれと復讐の方法を一致させて初めて意味があるのに。

 だいたい復讐される側の設定も杜撰すぎるのです。コンピューター関連の会社を興した当人が必ずしもコンピューターに精通している必要がないのは世間をよく見廻せば解ることですし、それだけ虚飾を巧みに施せる人間なら、のしあがったあとは実務を子飼いの人間に任せればいいだけで、ダミーなんか必要ないでしょう。ましてそのダミーを発掘する手段も杜撰なら、どうして主役格の女の子がそれを知って計画に乗じる振りをして乗り込めたのかが解らない。

 マンネリは作っている方も自覚しているらしい、というのは観ていて解りましたが、その打破のために捻りを加えた結果、致命的に細部を見渡す力がないことを露呈しただけの結果に終わってます。これならまだマンネリの方がまし、という悲惨な代物でした。作画的にはそこそこ安定しているだけに、脚本の不出来が目も当てられません。

 これで仏の顔も尽きました。次が駄目なら切り捨てます――って、五回まで我慢したなら最後まで付き合ってもという気もするんですが。ここまで来たらネタだし。

コメント

  1. 冬野 より:

    いつも見逃していて、今日が初見でした。キャラ絵とかのビジュアル面はいいんですけれど、吸血姫シリーズと比べると段違いに落ちますね。キャラ絵だけスピンオフさせて、別企画・別作家でリスタートすればいいのにと思いますね。

  2. tuckf より:

    ほんとにどうしたもんでしょうねえ。ここまで来てしまうともう仕切り直しも難しいでしょう。作画レベルについては、実は『BLOOD+』よりも安定してるんじゃないか、と思うぐらいなんですが……兎に角脚本が……。

タイトルとURLをコピーしました