『天保異聞 妖奇士』説十八 漂泊者の楽園

 鳥居耀蔵を亡き者にし、“漂泊者の楽園”を創造せんと企てる薬種問屋・山崎屋とその郎党たち。山崎屋が隠し持っていた小さな妖夷は、アビの姉・ニナイが妖夷とのあいだに成した子であるという。おぞましい事実に愕然とするアビ。そこへ、妖夷の肉の虜となった山崎屋の者たちが襲いかかる――

 アビの過去編完結。どうもこのエピソードは主題を量りかねていたのですが、要は町の人間が山間や海に暮らす人々に対して抱く幻想と現実との乖離が描きたかった模様。少々整理の悪さは否めませんが、意志が高いのでなんだかそれだけで納得してしまう私。

 ただ、“漢神を隠す”という発想はどーだろうな、という気がします。いままで“漢神”にそんな核のようなものがある、という仄めかしもなかったので、なんとなく裏切られた気分になりました。それを許容してしまったら何でもありになってしまうんじゃあ――って、そもそも漢神という発想自体がかなり万能なので、その程度の対抗手段があってもいいのか?

 次週からは新エピソード、こんどはドッペルゲンガーが登場するらしい、ってドッペルゲンガーってあんた。とりあえず数少ない華である宰蔵とアトルがもー少し活躍してくれるのに期待。

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