『武装錬金』第21話 GONE INTO FLAME

 ブラボーを屈服させたカズキの前に立ちはだかったのは、もうひとりの戦士長であり、現時点でカズキ再殺部隊を束ねる火渡。周囲を一掃する強力な彼の武装錬金は、カズキや斗貴子たち“裏切り者”を吹き飛ばすはずだった――だが、ブラボーはその瞬間、我が身を挺して三人を守った――

 シリーズ中最も衝撃的なシーン、含む新展開。もう何なんだこの密度の高さは。並のアニメならAパート部分だけで1話分の尺を使っているでしょう。

 密度が高いのは大変に宜しいのですが、ただそのせいで原作にもあるエピソードとしてのバランスの悪さも踏襲してしまっている。今回それがいちばん顕著だったのは後半におけるヴィクターと戦団との交戦場面です。蝶野や、日常とのバランスが保てない斗貴子さんといった本来補うべき人員が出番なしだったため、ここでギャグを補充している趣ですが――どこまでマジなのか解らないので、微妙に浮いてしまった。特に今回は、ブラボーと火渡が過去に遭遇した事件が全体を通して鍵の役割を果たしており、そこに絡まない彼らがわりを食った印象でした。そうでなくても不本意な結果だったのにねえ。

 とは言い条、過去の悲しい出来事を軸として、それぞれのかたちでその記憶を背負うブラボーと火渡との対決、両者を見守る大戦士長・坂口の緩急自在に人を食う言動と、見せ場も多くムードに優れた1話であったのも事実。てかこれだけ盛り込んであるんですから、バランスが悪いのを責めるのも酷よね。

 次回はようやく目的地であるニュートンアップル女学院潜入、そしてカズキをヴィクター化させた黒い核鉄の背景と、たぶんついでにあの人の背景も明らかになるはず。どうなることかと思いましたが順調にクライマックスに近づいてます。それまでにもーちょっと腹黒い人たちの出番があれば言うことなしなんですが……どうだっけ? 最後に蝶野に見せ場があったのは記憶してますが。

コメント

  1. 冬野 より:

    潜水艦トリオがドリルを使ったのはスルーですか? ドリルでグルグルこそ男のロマンヽ(`Д´)ノ

  2. tuckf より:

    ロマンは認めますがでも浮いていたのも事実であって。むしろ披露できなかった他の形態に存在していたドラマこそ観たかった気も。

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