『ガリレオ』最終章 爆(は)ぜる 後編

 事件の鍵を握るのは、湯川とも因縁の深い木島教授。湯川は彼こそが黒幕だと確信し、必ず真相を暴いてみせる、と木島に宣言する。だが彼を頼っていた内海は助手の栗林から、「湯川にはもう木島と関わって欲しくない」と言われ、彼との接触に躊躇いを覚えるようになる。結果として袂を分かつふたりだが、湯川は自らのプライドにかけて、内海は木島の秘書の犯行として片付けられかかったのを契機に、それぞれ本気で事件に取り組み始める……

 前回までが恐ろしく正統的なホームズ譚だっただけに最後まで本格ミステリを貫いてくれるかと期待していたのですが、何とモリアーティ教授との対決で来ました。但しガリレオらしく、頭脳対頭脳という様式をきっちり描いている。個々の要素が難解すぎて何を戦っているのかはよく解らない――というよりきっと脚本家もてきとーに書いている――のですが、だからこそ奇妙なサスペンスが醸成されている。前回最後の登場ではもうちょっと、という印象だった久米宏による木島教授ですが、今回は要領を覚えたのか、意外にもなかなか嵌ってました。

 見せ場を実質的に湯川と内海のふたり芝居にしたのも、シリーズとしては正しい構成だと思います。基本的に艶っぽさは抑えめですが、最後にこのくらいの彩りつきでもいいでしょう。内海の人柄に理解を示しつつ、やはり接し方には戸惑いを残している湯川の態度が最後まで面白かった。

 このまんまシリーズが継続しそうな雰囲気で終わりましたが、事実確か来年秋には『容疑者Xの献身』があるわけで。それまで、しばしのお別れ。月ドラとは思えないくらい楽しませていただきました。

 ……しかしさすがに映画版の前には原作をちゃんと読んでおいたほうがいいよな……中身が違うにせよ。

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