灯里のプリマ昇進に合わせて、アリシアが決意したのは――結婚と、ゴンドラ協会での要職着任による引退。あっという間に情報が拡がり、わざわざ休みを取ってきた藍華・アリスを筆頭に人が現れ電話が鳴り響き、そして間もなくひとりで会社を切り盛りすることになる灯里は、その日から多忙を極めることになった。だから、なかなか意識する暇がなかったのだ……アリシアが去る、というのが何を意味するのか……
灯里最初のデフォルメ絵が『スケッチブック』風味だったのにいきなり受けました。
原作を読んだうえなので、最後の展開は解っていたものの、唯一気になっていたのがラストシーンをどうするのかだったのですが、それすらプロローグで意図が汲み取れてしまいました。ために、あとは演出と作画のみに注目していたのですが……前回でさえあれだったんですから、いまさらクオリティが落ちるわけがないんだよ。前回同様、これ単体でOVAリリースだったとしてもまったく不思議のない仕上がり。実際、構成からしてDVD最終巻はこれ1話のみ収録なんでしょうけれど、何ら問題を感じません。
やっぱり細かな演出には異存はあるんです。泣いている灯里にアリシアが駆け寄る場面は過程をさっ引いても良かっただろう、とか告白部分の回想やイメージが少しアングルに凝りすぎ、とか最後の効果音はちと邪魔じゃないか、とか。しかしここの絵の質は高いし、その様式のなかにあって完璧な間の取り方と空気の作り方にはまるで文句なし。
話としても、原作終盤の勘所はちゃんと押さえたうえで、手をつけていなかったアリシアの引退セレモニーの様子をきちんと盛り込んで、不明瞭だったバトンの受け渡しをきちんと片付けた。上で腐したところなんか好みの問題でしかなく、完成度の点ではもう何ら非の打ち所がありません。
先行する第1期・第2期の積み重ねがあってこそ、と言い条、何だかんだで今期に鑑賞したアニメでは間違いなくトップ、どころかここ数年再燃したアニメ熱に駆られて継続鑑賞した作品のなかでも最高の作品だったと思います。……何せひと晩で3つも最終回を観てしまったせいで少し冷静になってしまい、先週危惧したようなマジ泣きの事態にはならなかったのですが、でも素直に感動。年末にもういちど観るのが無茶苦茶楽しみだー<気が早い
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