タフであればいい、ってわけでもない。

 プログラム切替直後の火曜日は午前十時の映画祭12を観に行く日。前回は1週遅れましたが、今回は本来のペースに戻しました。
 しかし劇場はまだ日本橋に戻らず、TOHOシネマズ新宿です。なにせ大つけ麺博があと2日残ってますから。さすがにラスト2日、立て続けに通おうとまでは思ってませんが――こう書くとちょこっとだけ気持ちが傾くけど――せめて1日は脚を運ばねば。そういうタイミングなので、今回までは新宿を河岸とします。
 最近は心配になるほど雨が降りません。お陰でほぼ毎回バイクで移動できるのは有り難い、けど久々にガソリンの消耗が早い。でも、電車よりもバイクのほうが私には気楽……駐車する場所さえ確保出来てればな! 今日は早めに現地入りして、駐車場から1km歩いたぜ!
 今コマの上映作品は、マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演の『タクシードライバー』コンビが、実在するボクサーの半生をモノクロで映画化した『レイジング・ブル』(ユナイテッド・アーティスツ初公開時配給)
 圧倒的なのはやはりデ・ニーロの変貌っぷりです。現役時代の引き締まった身体付きと、スタンダップ・コメディアンに転身したあとの緩みきった肉体を、特殊メイク抜きに再現し、なおかつ独善的な男の栄光と挫折をリアルに演じきっている。本篇の異様な説得力はほぼほぼ彼の演技の凄みが担ってます。
 ただ作品としても巧い。身勝手で気まぐれで、どうしたって共感しにくい人物の半生を、ちゃんと本人の心情に寄り添いながらも、魅力的に映るよう的確に、かつテンポよく描いている。通常のシーンはモノトーンで表現する一方、劇中に存在するカメラが捉えた映像はあえてカラーで用いる、という趣向が、憧れにくい人物像の陰影を際立たせて、奇妙な魅力を演出している。
 正直、どうしたって好きになれない人物であり作品なんですが、凄みは否定出来ない。『タクシードライバー』にも通じる、端整さと荒々しさの共存する傑作でした。

 映画を観たあとは予定通り、大久保公園に赴き大つけ麺博にて昼食。詳しくは後日、改めて記します。
 食事を済ませると、本屋を冷やかしつつ――買うつもりはあったけど、目当てのものが見つからなかったので――駐車場に戻り、バイクでのんびり帰宅。

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