だいぶ前から物議を醸していた、人気漫画のハリウッドによる実写化『DRAGONBALL EVOLUTION』(20世紀フォックス・配給)。正式公開は13日ですが、先駆けて本日よりレイトショーが開催されます。それを記念して、日劇にて主要キャストによる舞台挨拶が行われました。駄目でもともと、と発売日にTOHOシネマズのサイトにアクセスしてみたら、存外あっさりと確保出来てしまったので、足を運んだわけです。
登壇したのは悟空役のジャスティン・チャットウィン、ブルマ役のエミー・ロッサム、亀仙人役のチョウ・ユンファ、マイ役の田村英里子。日劇の舞台挨拶は劇場後方から客席のあいだを通って登壇する場合があるので、それを見込んで通路寄りの席を取ったのですが、さすがに相手はハリウッド・スターだからなのか、普通に舞台袖からの登場でした。しかし前から3列目なので充分近い。
出演者のうちふたりは英語圏、ひとりは中国語圏、そしてもうひとりは日本語、というわけで通訳ふたりを加えて3カ国語が行き交う不思議な催しでした。
若手3人は素直なコメントが多かった中で、やはり格が違うのはチョウ・ユンファです。……あんなにおちゃらけた人だとは知らんだ。
「お小遣いが少ないので痩せてしまった」
「奥さんが、東急ハンズで見つけたカバンがどうしても欲しいと言うのだけど、お金がないから、是非この亀仙人の役を受けろ、と言われた」
「カバンは僕がすっぽり入るサイズで、僕は『子連れ狼』みたいなもの。いまは奥さんがカバンに入ってついてきている」
「アクションはそんなにないけれど、ブルマ役のエミーの太腿が触れて良かった」
ここに書くためにメモを取っていたのですが、チョウ・ユンファのコメントばかり拾ってました。
舞台挨拶のあと、いよいよ現物です。もう、原作とまるで違うのは覚悟のうえなので、悟空が高校生でも目的が妙に壮大かつシンプルになっていても気にならなかったのですが……しかしそれでも説明不足、掘り下げ不足という印象です。せっかくのホイポイカプセルや、見た目以外はけっこう感じの出ている亀仙人が活かされていないし、そもそもなんでピッコロ大魔王が復活したのかとかがほとんど説明されておらず、随所で舌足らずになっている。その代わり90分足らずにぎゅっと凝縮された分だけスピード感はあり、闇雲な勢いを発揮していたので、アクション・ファンタジーとして楽しめるのですが、原作に愛着が強い人や細部の精度に厳しい人は避けた方がいいかも知れません。色々とツッコミどころがある分だけ、話のタネにはなるので観ておいて損はないと思うんですけど。
コメント