本日は夕方から試写会です。時間的に、もう1本ハシゴしておきたいところですが……どうやってもいい具合のスケジュールが組めない。特に今日は、大つけ麺博2012にもう1回訪れる僅かな好機でもあったため、色々考えた結果、少し早い時間に大つけ麺博を訪ねたあと、六本木のネットカフェに少し長めに居座って作業などを進めたのち試写会に赴く、というスケジュールに。
まずは今年2度目の大つけ麺博2012へ。到着したのは11時ちょっと過ぎぐらいだったのですが、既に人気店にはけっこう列が出来ている。幸いに、なのか不運にも、なのか、予め目をつけていた店はさほどの列ではなかったので、予定通りの店で購入して早めの昼食。
今回挑んだのは京都から来た吟醸らーめん久保田。濃いめの味噌つけ麺、というのに惹かれたのですが……美味しいんですが、今日はちょっと合わなかった。いや、味が駄目ということではありませんし、麺単独でもいけるのでいいお店だとは思うのですが、ここ数日の天候不順で体調がいまひとつだった私には少々くどかった。完食はしましたが、出来ればもーちょっとコンディションのいいときに食べたかった――っていうか、延々自転車を漕いだあとに合わないのだ。でも美味しいのは間違いないので、素直に1票入れてきましたが。
食後はすぐに六本木へと向かい、ネットカフェに入店。個室に入って、伝票を確認して――まだ12時を過ぎたばかりだったのにびっくり。5時間パックで充分だろう、と思っていたのですが、1時間以上あまってしまうことに。時間いっぱい過ごしたあと、近くのファストフードで更に40分ぐらい潰してから、会場に赴きました。
映画館は、今年やけにお世話になっているシネマート六本木。実際、試写会は2回めですし、舞台挨拶つきの鑑賞も2度目。どうもここは、2スクリーンぐらいを随時試写会に提供しているようで、他の作品を観に来たときもしばしば試写会のための受付が立っているのを目にするのです。
上映作品は、あの近代ホラーの伝説的名作『マーターズ』の監督がアメリカを舞台に描く、子供の失踪事件をモチーフとした『トールマン』(KING RECORDS配給)。
上映は舞台挨拶のあとだったので、順番では感想もあとに書くべきなんですが……とにかく、“凄い作品だった”ということだけは申し上げておきたい。『マーターズ』とは手法が異なりますが、先読み不能のストーリー、シンプルな発想から出発しているのに、巧みに逆転を演出する構成の絶妙さ。物語が終わったときにもたらされる複雑な余韻に至るまで、とことん重厚。ホラー映画と呼ぶにはいささか怖さが足りないかな、と観ているあいだ、そして観終わった直後は感じるかも知れませんが、本当の恐怖は細かな描写と、仄めかされる背景にこそ存在する。これは断固お薦めです。『マーターズ』は壮絶な暴力描写と異形のラストゆえに薦めるのを躊躇わされたのですが、そういう意味では障害のない本篇、劇場公開時には是非ともチェックしてみてください。東京近辺の方は、せっかくですからこれがクロージングとなるシアターN渋谷でご覧あれ。
で、話は戻って、上映前に行われたパスカル・ロジェ監督の舞台挨拶。司会として毎度お馴染み
KING RECORDSの山口幸彦氏が登壇しましたが、ほとんどロジェ監督が通訳を介してひとり語りする流れに。『マーターズ』とは手法が異なるが通底するものはある、とか「ミステリー映画だと思う」とか、観終わってみるといちいち頷ける発言ばかりでした。数日前に来日しており、日本を愉しんでいますか? という問いかけに、「昨日、特撮博物館に行ってきた」と発言、日本映画に敬意を抱いていることを口にするあたりまで含め、好感を抱かずにはいられない人柄です。今後も意欲的な作品を発表してくれそうで、改めて今後注目すべき監督だ、と実感――何となく、ホラー、サスペンス方面には留まっていない気もしますが、それもまた一興。
終日体調はいまひとつでしたが、映画が傑作だったので大満足の1日でした。『トールマン』、可能なら本公開後にもう1回観てこよう。
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