レンタルDVD鑑賞日記その469。

  • 『ほんとにあった!呪いのビデオ66』(BROADWAY[発売])

 今月リリースされたばかりの最新巻を実店舗で借りてきました。前巻あたりで節目かな、と思いましたが、今回も菊池宣秀演出です。読者と共に赴いた心霊スポットで雑誌記者が撮影してしまった“ぎょうさん”、隣室から聞こえる喘ぎ声に、自撮り棒を使って盗み撮りを試みたところ、とんでもないものが撮れてしまう“声”、失踪した映像ディレクターの残した異様な動画をきっかけに展開する前後編“六十六”の全7篇。

 ……もうね、新参シリーズにろくなのがないので、ここぐらいしっかり作ってあれば、多少頼りなくてもOKかと思っちゃってるんですよ。個々のエピソードのインパクトはやっぱり往年の傑作には及ばないんですけど、しかし取材とのバランスや反復の的確な尺、長篇の掘り下げの深さで、もう満足してしまう。

 ただ、そういうこちらの心境の変化を考慮から外しても、菊池演出のなかではかなり上出来の部類だと思います。小粒だけど安定感のある個別のエピソードもさりながら、前後編に分かれた“六十六”にちゃんと見応えがあるのが嬉しい。出てくる映像は不気味だけどありがち、という類なんですが、そこから背景を手繰っていく過程の面白さと、スタッフまでも怪異に引き寄せられていく感じが実にいい。

 ……まあ、他のスタッフが気づいたことを自分の手柄みたいに話すなよ、とかそこは女の子じゃなくて野郎がもっと気張れよ、とか若干引っかかるところはあるんですが、鼻につくほどではない。しばらく切ることを考えずに済みそうで安心してます。

 例年通りなら、次は6月から始まる夏の連作祭り、のはず。楽しみにしておこう。

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