午前なのやら午後なのやら。

 プログラム切替直後の月曜日は午前十時の映画祭7を観に行く日。そういうわけで、購入可能になった金曜深夜にさっさとチケットを確保したのですが、まさかこんなにガッツリと雨が降るとは思ってませんでした。運動がてら徒歩を挟んだりするとかなり濡れそうな降りだったので、本日は大人しくすべて電車にて移動。

 TOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今コマの作品は、100歳まで映画を撮り続けた映画監督・新藤兼人が、自身の愛妻・乙羽信子と、日本を代表する名女優・杉村春子を主演に迎え、人の生き死にを哀しくも暖かなユーモアで彩って描き出したドラマ午後の遺言状』(日本ヘラルド初公開時配給)

 キャストは非常に豪華ですが、とても小規模な撮影で、しかし豊かなドラマを描き出す、という日本のインディペンデント映画のお手本とも言える傑作でした。自身の女優人生を彷彿とさせる役柄を見事な貫禄で演じきる杉村春子と、実際に死期を間近にしていたとは思えない乙羽信子の飄々として多彩な表情の対決ぶりが圧巻です。中盤以降濃厚に描かれる生と死の対比が、観る者に様々な感慨をもたらします。登場人物の複雑な心情を謎として残す終幕の余韻も豊かで、観終わったあとの充実感が素晴らしい。ほんとうに好い映画。

 鑑賞後、いつもならその辺で昼食を摂るのですが、劇場を出たら飛沫が見えそうなくらいの降りが続いている。普段利用している店は外まで列が続きがちなので、とりあえず帰途に就き、道々店を眺めて物色しましたが、ピンと来るものがなく、けっきょく自宅近くのコンビニで買って食事を済ませたのでありました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました