初詣は山奥へ。

 喪中は通常、初詣なども基本的にはしません――が、私の場合の初詣とはおおむね、その年初めての映画館詣でを意味します。宗教みたいなもんですが宗教とも違うのでまあいいだろう!

 今年の映画はじめは、昨年最も訪れたTOHOシネマズ日本橋です。天気も良好なので、自転車にて移動。

 本日の作品は、午前十時の映画祭7上映作品、中国の山岳地帯に徒歩で郵便を運ぶ親子の姿を淡々と綴り、その美しい光景と詩情で世界的に絶賛された山の郵便配達』(東宝東和初公開時配給)。……実は前に家の仕事を手伝っていた際、これの業界紙向けの版下を作ったことがあるのです。でも当時はまだ映画にそれほど関心がなかったので、観るのはこれが初めてです。

砂の器』に続いて、親子の絆の物語でした。そして、低予算であるがゆえの、飾らない自然や田園の光景が印象的な、観ていて優しい心地になれる秀作でした。旅路の中で大きな波乱があるわけでもなく、親子の間にあったわだかまりも気づくと解消していた、といった具合の曖昧な描写ですが、そのぶん何気ない表現が細やかで光っている。この映画祭ではかなり尺も短めなので、心に残る小品、といったところでしょうか。新年に観るには程よい優しさでした。

 終わる時間は早いし、そもそもときどき寄っている店は年末年始休業、映画館の入っているコレド室町の飲食店は逆に休祝日に一人客がゆっくり食事出来る状況ではない。お土産がてらくず餅を買っていって、自宅にて雑煮を昼食にしました。基本、三が日は三食ずっと雑煮でいいのです、私は。

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