レンタルDVD鑑賞日記その537。

  • 『ほんとにあった!呪いのビデオ74』(BROADWAY[発売])

 前巻同様、病院からの帰りに借りてきました。新体制になって初めての夏の3部作、掉尾を飾る第74巻。山道をサイクリング中、転倒した投稿者がヘルメットに装着していたカメラが捉えた驚愕の事象“山道”、パスワードが初期設定のままの監視カメラから映像を拾うサイトに掲載されていた、ある部屋での怪現象を記録した“シリーズ監視カメラ 二階の和室”、そしてこの夏の連作の完結編、一家を混乱させた怪事の背景が透け見えてくる“おくりもの 後編”など8篇を収録。

 まず連作について触れないわけにはいかない。最後まで期待を裏切らないハイクオリティでした。蔓延する怪事と、背景がどんどん曖昧になっていく不気味さ。しかしそれがこの巻、背後関係を追っていくうちに、思わぬ事実が浮かび上がることで、別の顔を覗かせる。新体制1発目で繰り出した傑作“瑕疵”のインパクトに勝るとも劣らない、強烈なクライマックスでした。前任の岩澤宏樹演出が最後に携わった55巻で繰り出してきた、シリーズの本懐を別の形で示している。

 単品のエピソードの扱いも上手い。単品だとさすがに不自然じゃないか? という印象も否めないのですが、撮影者、投稿者に対する取材でその不気味さを増幅する手管は安定している。映像の異様さもさりながら、撮影されていた背景とその反応が一風変わった“シリーズ監視カメラ 二階の和室”や、比較的新しい機能に焦点を当てた“カメラ機能”など、映像自体はありきたりでも、媒体や採り上げ方が違えば充分面白くなる、ということを証明してます。

 福田陽平&寺内康太郎コンビがいつまで演出に携わるかどうか解りませんが、せめてもう1回くらいは連作を見せて欲しい。

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