日比谷が出来ても健在です。

 月・水・金と午後に用事があるため、余裕を持って映画を観ようと思うと、やっぱり火・木に行動するほうが都合がいい。幸いに天気予報でも、今日は雨にはならない、という予想だったので、はじめから出かける気でした――問題は、観たいものが貯まっているので、なかなか絞れなかったことだったりする。前夜ギリギリに作品を決め、折しもTOHOシネマズで1週間ずっとシネマイレージデーを展開しているので、ネット経由にてチケットを押さえました。

 朝になってみると、雨が降らないどころか、晴れ間さえも覗いている。このところなかなか機会がなかったので、思い切ってバイクにて出立――快適ではあったんですが、いつも使っている駐車場がバイクのみまさかの満車。いちおう、ほかにも駐められる場所は知っていたのですが、如何せんいままで利用したことがないので、うまく入るルートが見つけられず、なんとか駐めて映画館に辿り着いたときには、もう予告篇が始まってました。

 訪れたのはTOHOシネマズシャンテ――なんと1年3ヶ月ぶりです。当初はTOHOシネマズ日比谷オープンに合わせて閉館、と告知されてましたが、従来のロードショー館とは異なるミニシアターとしての役割を惜しむ声が多かったのか、閉館予定が撤回となりました。しかしその一方で、最近は日劇や日比谷のムーブ・オーヴァーばかりかかっていたせいで、あえてここを訪れる理由が減っていた気がします。日比谷の方が落ち着いたこともあってか、最近になって本来の単館上映系メインになってきたので、たぶんまた来る機会は増えます。

 そういうわけで本日鑑賞したのは、『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督最新作、ベトナム戦争時代の戦友が久々に再会し、戦死した息子の葬儀を催すためにアメリカ縦断の旅に赴く30年後の同窓会』(Showgate配給)

 個人的にリンクレイター監督は“時間”を作品に織り込む名手だ、と思ってますが、その手腕が遺憾なく発揮された作品。ほとんど会話劇なのに背景について多くは説明せず、行間で語る味わい深さ。じっくりとリハーサルを重ねた結果、もはや本当に古い戦友同士にしか見えない3人の醸しだす空気感が素晴らしい。ベトナムイラク戦争、ふたつの明らかに失敗に終わった戦争を背景に、その意義に疑問を唱えつつも、あえて戦場に臨んだ人々に敬意を示していて、登場人物の言葉遣いは悪いけれど姿勢はとても尊い。哀しみをじっくりと噛みしめるようなラストの余韻がいつまでも胸に残る、いい作品でした。やっぱしこの監督の映画は好きだなー。

 当初は日比谷界隈にて昼食を摂って帰るつもりでしたが、急遽駐めた駐車場は1時間あたりの料金はいつものところと一緒でも、2時間の無料枠がない。既に200円くらい高くついているので、さっさと離脱し、自宅からほど近いファストフード店で買って帰ることにしました。

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