『イカとクジラ』監督・脚本:ノア・バームバック/出演:ジェフ・ダニエルズ、ローラ・リニー、他/配給:Sony Pictures Entertainment

 諸般事情から今年に入ってから映画鑑賞を抑えてきましたが、さすがに辛抱溜まらなくなってきたので、新宿に赴く用事のあるついでに観てきました。時間ギリギリに出発して、ぴったりに到着してみたら何と開映時間を5分遅く誤解していたことが判明ししばし落胆したものの、どうやらギリギリ予告編が流れている段階とのことだったので、駆け込みで鑑賞。ああ危なかった。

 鑑賞したのは2005年度アカデミー賞オリジナル脚本部門候補に挙がったのをはじめ、多くの映画祭でその巧緻な脚本が賞賛を集めた、家族を巡る辛辣なコメディイカとクジラ』(Sony Pictures Entertainment・配給)。常々私は、アカデミー賞でいちばん参考になるのは脚本部門だと言っていたのですが、今回もその信頼は裏切られませんでした。家族というものの暗部を容赦なく抉りながらタッチは軽く可笑しく、それでいて切ない。予定調和に陥らない決着まで含めて、奥行きのある傑作でした。日本での公開は12月2日だったのですが、もし旧年中に観ていたらお薦め作品に挙げていたでしょう。詳しい感想は、「その本には決して触りたくない。」からどうぞ。この一件で、私ゃあの弟だけは一発小突きたくなりました。

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