本格ミステリ作家クラブ10周年記念企画『美女と探偵〜日本ミステリ映画の世界〜』……のテスト上映。

 去年から本格ミステリ作家クラブ10周年を記念して色々と行事や記念出版が行われていましたが、その掉尾を飾る企画として、神保町シアターにて6月4日から7月1日までの4週にわたり、日本のミステリ映画ばかりを上映する『美女と探偵〜日本ミステリ映画の世界〜』というイベントが行われます。この企画に、芦辺拓氏が関わっておられ、本日テスト上映がある、とのことなので、お願いしてお邪魔させていただきました。

 神保町シアターは前々から来てみたかった劇場ながら、縁がなく今回が初めての訪問です。小学館とよしもとが提携している劇場で、神保町花月と受付が一体化しているのがユニーク。映画館は地下にあって、面白いのがドリンクホルダーがない代わりに書見台が設置されていること。ドリンクホルダーだと、場合によっては置き場所を失うことがあるので、これは個人的にはけっこーいい設備だと思います。今日はやりませんでしたが、メモを取ろうと思えば出来るわけだし。

 テスト上映に選ばれたのは、『美女と探偵』のラインナップで唯一のテレビドラマ作品、泡坂妻夫原作による『乱れからくり ねじ屋敷連続殺人事件』(日本テレビ系列放映)。この小説は松田優作主演で映画化もされてますが、芦辺氏曰く「映画版より出来がいい」とのことで、イベント開催の際には観ようと思っていたもの。

 私は未だ映画版を観ていないので(駄目ならダメで観ておきたい気はする)比較は出来ませんが、これは本当に、確かに思いの外ミステリ映画として出来がいい。明らかにCMを入れていたと思しい間や切り替えがあったり、異様に激しく省略されていて説明が足りなく思える部分もありますが、全体としてはものすごーくトリッキーな、原作の謎の魅力を殺していない優秀な仕上がり。何より、テレビドラマ版のくせに(失礼)巨大迷路を再現しているのに驚きます。製作に円谷プロが名前を連ねていて、だからこその仕掛けでしょう。如何にも作りは古いドラマですが、この迷路とトリックの再現性の素晴らしさだけでも、ミステリファンは観ておいて損はないと思います、いや本当に。

 鑑賞後は場所を移して、芦辺拓氏と、金田一耕助博物館運営の木魚庵氏としばし歓談。ミステリ漫画や二次創作の線引き、ついでにプリキュアのことまで色々お話ししているうちに日付を越えてしまいました。ゆえに更新がこんな時間になっているわけです。

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