妹分・ルルンの登場ですっかり翻弄されるポルンを描く第29話。お疲れ気味のポルンを励ますため、プリキュアふたりにとって思い出深い遊園地を訪ねる第30話。強敵を前に、なぎさ率いるラクロス部が奮闘する第31話。お団子屋をひとりで営むおばあちゃんとの交流を描く第32話、まで。
うーん、この辺はほとんど前シリーズのポルン登場のくだりと似たり寄ったりで、いまひとつ新味に欠きます。スタッフもそこは自覚しているのでしょう、絵のレベルを底上げしているようだし、第29話の幼い兄妹に31話のラクロス部のライヴァル、そして32話のおばあちゃんと細かくゲストを絡めているのですが、ちょっとパターンに嵌りすぎている。
ただ、この辺りの試行錯誤が、『プリキュア5』や『フレッシュプリキュア!』での、意識的に敵キャラの愛らしさを描いてメリハリをつけたり、人数を増やした分だけヴァリエーションの増したプリキュア絡みのエピソードを膨らませていく、という手法に繋がっていくように見え、その意味では興味深い……が、初期の“ヒーローものの定石を踏まえつつ、女の子向けらしいひねりを加える”という刺激的な作りが薄れ、子供にも解りやすいドラマに推移してしまったのが、ちょっと残念な気もします。いや、狙いからすれば間違ってはいないんだが。
この巻で目を惹くのは、第31話。わりと型通りの展開が多くなってきたラクロス部絡みのエピソードを、新しいライヴァルに、キャプテンとして役目を果たすなぎさの姿、という要素を加えて、かなり綺麗に描いている。ドツクゾーンの連中が出没した際の3人の憤激ぶりも説得力があって、なかなかに燃える話になってます。ストーリーの初期からそんなに変わったという印象のないなぎさの成長を描いている点でも、面白い話でした。
残すところあと4巻。年内は無理でも、1月中にはコンプリートしそうです。何となく寂しい……録画した『プリキュア5』の頭に戻って観直そうかしら。
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