本日は、TOHOシネマズにて始まった新たな企画上映、“バック・トゥ・ザ・シアター”の第1回のスタート。今年の頭まで、勉強として毎週1回は古い映画を観に行っていたのに、春以降それが途絶えたのがちょっと寂しくなっていたところでした。こういう企画があればなるべく観て支援したい、とも思っていたので、発売開始と共にチケットを押さえて待っていました。
それから数日、先ごろリニューアルオープンしたドリパスで幾つか試写会のプレゼントに何気なく応募したところ、いちばん募集期間の短かったものが当たってしまった――よりによって、今日の夕方開催。
まあ、企画上映のほうは六本木で試写会は新橋寄りの日比谷で、そんなに距離はない。実はこの2箇所、電車で移動するにはちょっと不便なのですが、危惧されていた天候が、19日深夜から早朝まで猛スピードで過ぎ去っていった台風が雨雲をあらかた連れていってくれたお陰で、どうやら1日保ちそうだ。というわけで朝、自転車にて出かけ、ネットカフェで休憩及び作業時間をちょっと確保したうえで次の上映へ、という最近お気に入りのコースを選択することに。
まず1本目は、伝説のコメディ映画『ブルース・ブラザース』(ユニヴァーサル×CIC配給)。
オープニングのロゴから推測するに、ユニヴァーサル映画100周年に合わせて、往年の名作をDLP方式で新たにマスターを制作、それを利用したものだと思われます。たまに、映画館などの上映予定に“デジタル方式”と書いてあっても、ブルーレイやDVDを使用したものだったりするのですが、その意味では実に素晴らしい仕上がり。クリアですが、フィルムらしい質感も残っているので、往年の映画ファンでも満足いくのではないでしょうか。
例によってこれも私は初めての鑑賞でしたが、作品としても面白かった。終始常軌を逸した、あり得ない展開ばかりなのですが、それが大変に痛快。ジェームズ・ブラウンが神父として説教を始めてそのまま歌い始めたり、楽器店の店主がレイ・チャールズで以下同文、というシチュエーションも実に愉しく、最後までいい気分でいられる快作です。あんなに車が壊れまくるカーチェイス初めて観た。
鑑賞後はいつも通りにうどん屋で昼食を摂り、ネットカフェにてしばし立て籠もり。日が暮れる頃合いに退出して、試写会の行われるワーナー・ブラザース試写室へ。
試写会の作品は、かの名作『銀河鉄道の夜』の原作宮沢賢治×監督杉井ギサブロー×キャラクター原案ますむら・ひろしの布陣が復活した『グスコーブドリの伝記』(Warner Bros.配給)。
『銀河鉄道の夜』と同じく、宮沢賢治の価値観、世界観をよく反映した語り口に好感が持てる……のですが、このところ作業が立て込んでいて寝不足気味の私には、ゆったりしすぎていてちょっときつかった。しかし、主題やその扱いは巧みですし、何より映像と音楽が逸品。非現実的だけど現実の匂いも留め、厳しさと優しさがうまく溶けあっている。いい映画でありました……劇場公開される頃には落ち着くはずなので、もう1回ちゃんと観ておくか。
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