悪魔より悪だなんて許されると思うか?

 無事、深夜に一通りの作業が片付きました。先方の確認はまだですが、待っている間に映画鑑賞です。
 天気予報ではず~っと晴れマークが出てたわりには何となく不穏な雲が広がっておりますが、行き先はTOHOシネマズ日本橋、最近ここには電車を使うのが普通になってしまったので、あんまり関係はない。雨が酷いときに、傘を差す時間が最小限で済むルートを選ぶか否か、くらいです。とりあえず降ってはいないので、大人しく歩き多めで移動。
 鑑賞してきたのは、鳥山明の最高傑作とも言われる伝説の作品をトゥーン・レンダリングを駆使してアニメ映画化、人間も悪魔も水不足に苦しめられる砂漠の世界で、老保安官と悪魔の王子に従者という異色のトリオが幻の水源を求めて冒険を繰り広げるSAND LAND』(東宝配給)
 鳥山明ファンというわけでもないのに観に来たのは、酒林堂のメンバーが多数参加しているから……というのも実際あるけど、もともと気にはなっていたのです。原作を読んだのは遠い昔ながら、『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』よりも好きでしたし、レベルの高い絵をきちんと再現しているらしい映像にも期待が持てたので。ネットの記事ではIMAXでの鑑賞を勧めていたものの、そこにこだわってるとまたタイミングを逸するので、スクリーンもノーマルです。
 しかしこれが本当に面白かった。事件としての骨格はものすごく王道でシンプルとも言えますが、鳥山明印のユニークで愛らしいデザインと際立ったキャラクターのお陰で躍動感、魅力に富んだ物語になってる。
 感心するのは、戦略や能力にもちゃんと意味があって筋が通ってる点です。伝説の人は伝説になるのが頷ける有能さですし、悪魔の王子は彼なりのポリシーのもとでちゃんと悪魔。そして、それが冒険を通して信頼しあい、クライマックスで劇的に昇華する。格好いいしカタルシスは見事だし、終始楽しくてたまりません。
 深いテーマや穿った趣向のある作品もいいけれど、アニメ映画の王道はやっぱりこういう娯楽冒険ものだと思う。満喫しました……でも、本当にこれはIMAXとかMX4Dで観た方がいいかも知れません。もう次の大作がいっぱい控えてるので、難しいのも事実でしたけど。

 鑑賞後は例によって日本橋ふくしま館へ。実のところ、通常アニメはTOHOシネマズ上野で観ることにしているのに『SAND LAND』を日本橋で鑑賞したのは、ふくしま館のイートインに、いちばんのお気に入りである老麺まるやが来ていたからなのです。近ごろは、ふくしま館の催事スケジュール表が更新されるとまずはまるやの出店する日を確認し、そのタイミングで日本橋に映画を観に来るよう意識的に調整しているのです。好きすぎだろ我ながら。
 今回は到着時間がもろに昼食時で少し並ぶことになりましたが、ここはあんまり苦にならない。まるや出店時しか置いていない、数も限られているのですぐに無くなるお土産用の麺もひとつ確保出来たので大満足です。

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