今日はもともと、お昼だけは新宿まで食べに行くつもりでした。しかし、当日が近づき、諸々のスケジュールが確定してくると、映画鑑賞もしてしまった方がいい、と思い始めた。なので、本来は来襲の平日に考えていた午前十時の映画祭14をきょう観に行くことにしました。
乾燥による火災が増えてくるくらい好天続きの近頃、今日も晴れ上がってましたが、移動はバイクではなく電車を利用……そろそろバイクには厳しくなってきた冷え込みと、移動中にここの記事を書く余裕が出来るメリットを優先しました。時間の省略にはなるのよ。
TOHOシネマズ新宿にて鑑賞した、午前十時の映画祭14今コマの上映作品は、シドニー・ルメット監督の1976年作品、落ち目のニュースキャスターが突然に放った生放送中の自殺予告をきっかけに始まる狂騒劇を、当時の社会情勢を細かにちりばめブラックに描き出す『ネットワーク(1976)』(ユナイテッド・アーティスツ初公開時配給)。
今回は、不定期に実施している、町山智浩氏の解説が前後につく上映会です。ざっくりとは予備知識を入れてますが、評論家ならではの情報と捉え方を付け加えてくれるのは有り難い。
そして、この話を聞いた上で鑑賞し解釈すると、本当にデンジャーでブラックな映画です。実際の出来事に想を得た導入から、エゴイスティックに利益を追求する人々の“暴走”ぶりをシニカルに描き出す。現代ならもうちょっと、彼らの選択が泥沼へ突き進んでいることが気づきそうなもの……でもないか。価値判断基準がズレ、ちょっとした錯覚でこうなる危うさは今も孕んでるし、実際、似たようなものは最近も起きてる。
ただし、本篇ではその反応、展開をより極端に誇張しているきらいはあります。たまたま前夜「『ダークサイドミステリー』でラジオドラマ『宇宙戦争』を巡るパニックの嘘を採り上げていたのを観たばかりなので、やや白ける面はあった。乗せられやすい人はいるけど、細部はもうちょっと冷静なものよ。
とはいえ、諷刺、皮肉としてはなかなか強烈なものがあります。実際、報道、というより情報社会と呼ばれるものが、この作品で指摘したように変質者、ある意味では更に悪質になっている部分もある。まるで劇中で“預言者”と祭り上げられるハワード・ビールそのもののように示唆的で、道化めいたところもある、今なお――というより今だからこそ鑑賞する意義のある作品だと思う。町山氏の指摘する、某キャラクターとの奇妙な縁も、そう考えると必然な気がします。だって、そういう作品だもの。
鑑賞後は、こっちが元々の目的である至高のラーメンフェスへ。
当初は今日、ここで食べるものは1択だったんですが、パンフレットを眺めてたら、別のお店も気になってきてしまった。現地で両方の店舗を見比べて――けっきょくは当初、考えていたほうでかいました。
お腹に余裕があれば両方いっちゃおうかなー、と悪魔も囁いていましたけれど、今日明日は夕飯を食べ過ぎる危険があるので控えました……この冬初のほうとうにする予定になってたから。私はほうとうはやたらと食うのだ。
TOHOシネマズ新宿、スクリーン12入口前に掲示された『ネットワーク(1976)』上映当時の午前十時の映画祭14案内ポスター。
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