2日連続の映画鑑賞です……というか、そもそも今日はタイタンシネマライブの上映日なので、そのついでです。きのう観た午前十時の映画祭は日比谷ではやってないし……というか、仮に新宿で観るとしても、時間は噛み合うはずがない。
ただ、あれこれ迷ったのですが、うまく噛み合わない――いや、気になってるものがわりと時間的にはうまくハマるのだけど、夕食を摂る時間がどうしても確保できない。夕方早めに出て、シネマライブが終わって家に帰るまでお預け、というのは、たとえ映画館で軽食を摂ったとしてもちょっとキツいからなあ、と悩み、しかし結局、ハシゴすることにしました。ていうか、このタイミングで一般上映作品を観ないと、鑑賞ポイントを消化するタイミングがないのよ。
午前中に用をいくつか済ませ、仮眠ののちお出かけ……行きがけに、シネマライブのチケットを発券。珍しく、上映日まで忘れてたわ……。
本題の前に向かうのはTOHOシネマズシャンテ――TOHOシネマズ系列でミニシアターの位置付け、しかも日比谷では一切やめてしまったポスターやキーヴィジュアルの掲示、チラシの提供を続けていて、こういう場合に選ぶことが増えてます。
鑑賞したのは、ブラム・ストーカーによる古典怪奇小説を『ライトハウス』のロバート・エガース監督が再映画化、『ノスフェラトゥ(2024)』(PARCO配給)。
ミステリ・ホラーに育てられた者としては、これも出来れば押さえておきたかった1本でした。
堂々たる風格を備えた“怪奇映画”でした。私としては極上の2時間ちょい。
冒頭から佇まいに優れた映像に見せられます。モノトーンと錯覚する色数の少ない美術、緻密に練られた構図と、濃密な気配を漂わせた間。ホラーとしてはけっこう基本的なガジェットで構成されてるんですが、雰囲気作りが素晴らしいので普通に怖い。そして美しい。
ブラム・ストーカー作品、そしてそれを翻案したF・W・ムルナウ監督による1922年のドイツ映画を更に脚色したもので、どうやら後者の精神と世界観を踏襲すべく、本篇も舞台を当時のドイツに設定している。端正な美術と、VFXによる絵作りのこだわりが凄い。
1922年版の粗筋を調べると、プロット的にも基本は受け継いでいるんですが、当時の価値観をベースに描きつつも、官能の表現や女性のスタンスに現代的な要素がちらつき興味深い。悲劇と呼べるクライマックスは、怪奇映画としての美学を色濃く封じ込めながら、生命の業のようなものを感じさせ、物凄い情緒をたたえてます。
なんかネットで情報を確認したとき、日本での評価が低めなんですが――まあ、あっちこっち恣意的な成り行きもあるのでそうなるのも解るけれど、映画芸術として、そして怪奇映画として味わい甲斐のある作品だと思う。
こちらの映画から本日の本題タイタンシネマライブまで、開映を基準にすれば45分。夕食を摂る時間はおろか、下手をするとコンセッションで買い物をする時間もない。金曜夜のTOHOシネマズ日比谷は混雑がヒドい、けどどうしようもない。
そこで私が考えたのは、TOHOシネマズシャンテのコンセッションでポップコーンセットと、ポップコーンの持ち帰り用の袋を買い、『ノスフェラトゥ』鑑賞中は半分くらいで消費を抑え、余ったポップコーンとドリンクを持ってTOHOシネマズ日比谷に移動する。そうすれば、どちらも観ているあいだ小腹を満たせますし、透析休みに過剰な水分を摂らずに済む。
いちおう系列劇場で買ってきたものなんだから、持ち込みはNGとは言われないよな、とヒヤヒヤしつつ、劇場の備品であるトレーだけ貸してくれないかお願いしてみたら、あっさり通りました。先方としても、週末夜や祝日にどうしても混雑するコンセッションには苦慮しているのでしょう。次にハシゴするときも、この策を応用しよう……シャンテか、宝塚劇場地下のスクリーンを利用したとき限定の手段にはなるだろうけれど。
本題のタイタンシネマライブは、項目を分けて、明日にでもアップします。
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