このところいまいち余裕が取れなくて、映画鑑賞もままなりません。そうこうしているうちに、午前中の映画祭15の今コマの作品が木曜日までに押さえなきゃ終わり、という瀬戸際になってしまった。今日は作業をしたかったけど、映画祭コンプリートを逸するのも悔いが残りそうなので、出かけてきました。
目的地はいつもどおりのTOHOシネマズ日本橋、鑑賞したのは、南北戦争前後のアメリカ南部を舞台に、奔放なお嬢様が経験する数多の苦難と愛のドラマを描いた、『風と共に去りぬ』(MGM初公開時配給)。
この映画祭で繰り返し採り上げられていて、話はだいたい記憶にあるし、ぜんぶで4時間近くあるので、インターミッションのところで切り上げて、お昼を食べて帰ろうかな、とか考えました。観に行くのを決断したのも昨晩遅くで、朝早いこの映画の開映に間に合うよう行動するには手遅れだったので、到着もスケジュール上の開映時間でしたし、実際席に着いたのも、もうスカーレットがパーティでちやほやされながらふてくされてるくだりだったし。とりあえず、コンプリートのために脚を運んだ、という実績だけ欲しかったのです。
……が、結局、ちゃんと最後まで観てしまった。
往年の大作なので、ちゃんとインターミッションがある。常々思っていたことですが、この『風と共に去りぬ』という映画、インターミッション前で一段落している、とも取れる。我が儘なお嬢様だったスカーレットが、過酷な体験を経て覚悟を決め、故郷の釉薬空を背に拳を握りしめるあのシーンで、もうちょっとしたカタルシスがあるので、帰ろうと思えば帰れた。実際、このインターミッションのあいだに、荷物を持ち、飲み終わってしまったドリンクの容器を廃棄してしまったので、半ばは帰るつもりでいたのです。
しかし、踏ん切りはつかず、座席に戻り、どっかで席を立とうかな、と悩むうちに、あのくだりを観たいな、という気分になってしまった。しかしその観たかったくだりは、思いっきりクライマックス直前。そりゃあもう、全部観るしかないわ。
近年、アメリカにおいては、奴隷制度を守ろうとした南部の社会を美化している、という点が問題視され、配信では注意喚起つきで取り扱われている、という話を聞きます。奴隷制度は消え去って然るべきだ、とは思う一方で、その価値観に適応して平穏を得ていた人々も確かにいた、ということまで否定しなくてもいいのでは、と考えていますから、私にはあんまり抵抗はない。むしろ、だからこそ現代ではもう描きにくいドラマとして、価値が失われることはないのかも知れない。少なくとも、この映画祭では今後も、何年かおきに採り上げられるのでしょう。
鑑賞後は久々の外食。コレド室町2すぐ近くの神田らぁめん悠で、特選悠らぁめんを、平打ち麺にていただきました――前はちょっとひねったメニューで注文してましたが、最近はこの組み合わせですっかり落ち着いちゃってます。
食事を済ませたらまっすぐ帰宅……まだ先日のダメージが残っていて、あまり体調が整ってませんから、さっさと帰って一休みしたかったのです。だから、映画も間に合うことに拘らなかったし、早めに切り上げることも考えてたんですけどね。
TOHOシネマズ日本橋、スクリーン2入口脇に掲示された『風と共に去りぬ』午前十時の映画祭15上映当時の紹介記事と上映時間案内。
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