9月最初の映画鑑賞の行き先は、丸の内ピカデリーです。早くも秋雨の気配が漂い始め不安定な天候になってますが、日中は保ちそうなので、今回もバイクでお出かけ。時間的に余裕はありましたし、朝が早かったので駐車場の空き自体はあった――しかし、駐車場に入るルートの途中で渋滞にハマる、という想定してなかった事態で、危うく出遅れるところでした。どうも、立体駐車場のゲートがひとつ稼働していないとかで、なかなか進まなかったらしい。感覚的に、こういう駐車場で横をすり抜けるのはマナー違反、という気がして、しばらく我慢して列に並んでたんですが、あと2回カーブを曲がれば駐車場に入れる、というところで、たまらず脇から抜けてきました。
本日鑑賞したのは、芸人・松原タニシの体験を綴った書籍を原案に、かつて住人に不幸があった物件にばかり住むことになった芸人の味わう恐怖を描いたホラー『事故物件 恐い間取り』(松竹配給)。
全体に一貫したストーリーがあるわけではない芸人の体験談をどう映画にするのか? という興味も降りましたが、そこはホラー系で経験値の高いスタッフが揃っていたのでそつのない仕上がり。ただし、そつがないだけなので、そんなものばかり観てきた者からするとそんなに恐くはなかった。
むしろ観てて面白かったのは、売れない芸人を巡る葛藤のリアリティのほうだったりする。相方が放送作家に転身したり、実家の問題で芸能界を退いたり、と右往左往する一方で、笑いの価値を信じながらも仕事を得られたが故に事故物件での生活に固執する主人公、という構図が実に生々しい。脇にちょこちょこと本物の芸人を配したことで、余計に本格的な業界ものの雰囲気があります。
ホラーをやたらと観てきた者にはそれほどでもないですが、しかし身近な要素をもとにした怪異は、原作同様に、慣れてないひとには家に帰ること自体を躊躇わせるくらいの説得力がある。留守電やチャイムの怪現象など、私の感覚では有り体でも、たぶん自分の身に起きることを想像してしまうひとには充分恐いと思う。そして、内容的に突出した印象は受けてなくても、この夏は怪奇現象系のホラーをほとんど観てなかった私には満足の出来でした。
……しかし実のところ、きょういちばん怖かったのは、映画本篇とは別のところでした。
1時間くらい経ったときに、生理現象に襲われて、渋々中座したのですが、ロビーに誰もいない。照明も心なしか絞られている。そしてトイレに行き、個室に入ったら、頭上に照明がなく暗い――もちろんなんにもなかったんですが、あまりの薄気味悪さに、自分でも驚くくらいテキパキと用を足して、劇場内に戻りました。なんであんなに怖い雰囲気にしてるんだ。ホラーだからなのか、それともあれが通常のオペレーションなのか。
鑑賞後、昼食をどうするかしばし悩み、悩んでるうちに完全にお昼時になってしまって、よく行くお店では席を確保するのが難しそうだったため、またぞろつじ田に電話してテイクアウトを確保、帰る道すがら引き取り、自宅にて食べたのでした。
コメント
[…] 原作:松原タニシ(二見書房・刊) / 監督:中田秀夫 / […]