最初の予定ではきょう、墓参りに西の方へ向かうことになっていた。が、緊急事態宣言の解除が遅くなり、まだ予断を許さない状況なので、祖母の命日に近い頃合いにすることになった。
折しも、確実に母も好きな作品が、26日から映画館にて再上映されている。来週あたりに都合をつけて一緒に出かけるつもりでしたが、どーせ予定がなくなったのなら、と前倒しにすることに。
電車にて訪れたのは、位置的に地下鉄東銀座駅に近い東劇。すんごい久しぶりの訪問です。何せ、ある時期からシネコンの数が急増、ここでかかるような作品は他で押さえるようになったうえ、ここ数年はメトロポリタン歌劇場のオペラやシネマ歌舞伎を中心に上映する劇場になっていて、そっちまで追っかける余裕のない私には縁遠くなっていた。
……しかし15年近く来てないとは思わなかったよ。
前回来たのは2006年7月、翌年に公開された『幸福な食卓』のスニーク・プレビューでした。ここに来たとき食事はどうしてたっけ? とかずーっと記憶を探ってたんですが、そりゃ忘れるはずだよ。
ただ、建物はもちろん、内装も恐らくほぼ変わってない。ロビーに段差が多く、スクリーンは充分な広さのステージがあるので奥行きがあり、客席よりも位置が高い。お陰で前のひとは邪魔にならないですが、比較的質のいいシートにも拘わらず、見上げ加減になるのでちょっと腰に負担が来る。こないだ『Fit Boxing 2』で必死になりすぎて腰に響いてる私にはちとキツかった。
鑑賞したのは、ウォルト・ディズニー畢生の傑作、クラシックの名曲の数々を、そこから着想した映像で表現した『ファンタジア(1940)』(大映初公開時配給)。だいぶ昔、たぶんリリースされた当時にレーザーディスクを購入して鑑賞した覚えがありますが、それっきりなので、いったい何年振りなのかも解りませぬ。
……しかし記憶が薄れているのも当然で、これはほんとに実験性の高い芸術作品。最初に“絶対音楽”と呼ぶ『トッカータとフーガ』を持ってきてる時点で、お子様を突き放してます。子供が観て楽しめるのはたぶんミッキー出演の『魔法使いの弟子』だけ、辛うじて『はげ山の一夜/アヴェ・マリア』くらいではなかろうか。
ただ、それなりに色々な作品に触れ、映像技術の変遷についても多少理解が深まったいまなら、とんでもない作品なのがよく解る。これを、まだ映像はモノクロ、音響もモノラルが当然だった時代に作ってしまったことが凄い。そして映像も音も、未だに通用し、また逆にもはや同じような熱量で作ることは難しい。2000年に続篇が発表されていて、そっちは観てませんが、それでもたぶん本篇の本質までは再現し切れていない、と断言できる。
……ただ、正直、大人になって観てもだいぶ眠くなるのは否めない。何せイメージの集積で、ストーリーがあるわけではないからどうしても、ね。
あまりに久々に来たので、前はここで映画を観たあとどこで食事を摂っていたのかさえ思い出せない。そこで前日までにネットで調べて、近くに美味しそうなうどん店があるのが解ったので、そちらに向かってみた。
すごい人だかりでした。
ここで待ってたら空腹で倒れてしまう、と思い、やむなく日比谷の方まで足を伸ばし、何度か利用している稲庭うどんのお店へ。こちらも昼食時はまあまあ列が出来るのですが、開店が早いのも把握しているので、まだ待つのも耐えられる。毎回注文している炊き込みご飯付きのランチメニューを、私はうどん大盛でお願いしました。ここのなら余裕で入る。っていうか、増やさなければ耐えられないくらい空腹でした。
食後、交通会館に入っているむらからまちから館で買い物をしてから帰宅。腹はくちたけど、それでも歩きが思いのほか伸びて、疲れました……。
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[…] 原題:“Fantasia” / アニメーション監督:ベン・シャープスティーン / 脚本:ジョー・グラント、ディック・ヒューマー / 製作:ウォルト・ディズニー / […]