鴨出汁の名店、鴨to葱初訪問。

 25日に映画を観たあと、映画館とは駅を挟んで反対くらいの位置にある、鴨to葱というお店を初訪問。
 存在自体は前から知ってました。御徒町界隈では特に名高いお店なのです。初めて訪ねる蕎麦屋ではまずとろろか鴨南蛮を頼むのが好きな私としては興味のあるお店ではありましたが、人気店であればこそ、行列に捕まりやすい。時間的、或いは心理的余裕がないとちょっと近づきづらい。
 ましてちょうど今週、テレビの特番で紹介された店でもある。ふだんならまず避けるような条件なんですが、この日観た映画の終了時間が11時15分、お昼時よりだいぶ早く、「いまならまだ混んでないかも」と望みをかけて、お店の前まで足を運んでみたら、ほとんど待たずに済みそうだったため、勢いで入店してしまいました。
 私が着席したあとからどんどん列が伸びていったので、ほんとーに絶妙なタイミングだったらしい。

 予めネットにてお品書きを調べ、ワンタンが食べたい気分だったので、鴨ワンタン麺を注文するつもりでいました。
 が、店舗の前にある食券機でボタンを押しても、食券が出て来ない。よくよく見れば、ワンタン麺絡みのメニューはすべて×印がついてる。どうも、なにかの事情でこの日は販売してなかったらしい……店員の方に訊ねることをしなかったため、何故売ってなかったのかは解りません。やむなく、別のものを注文することに。

鴨to葱の鴨汁つけそば。

 最終的に選んだのは、鴨汁つけそばです。
 イベントに毎年通うくらいのつけ麺好きですが、実はそれゆえに近ごろ、初めて訪れる店ではあまり注文していない。何故かというと、どこの店でもつけ麺は麺の量が多い傾向にある。通常のラーメンはスープに麺が浸り、食べる時間がかかると膨らんでしまうので、それを考慮した分量になるのですが、つけ麺はそういう危険がない。そのため、分量の指定が出来ないお店では、麺だけで普通に300g、ひどいと400gくらい盛ってくる。あっさりした味わいなら食べきれますが、基本こってり系は好きだけど量は食べられない私には、終盤で我慢しながら箸を運ぶことにもなりかねない。そのため、分量の察しがつかない場合は、いちど別のものを注文して、分量を体感してから、次の機会につけ麺に挑むようにしてます。なので、今回ほんとはつけ麺を注文するつもりはなかった……だったらそれこそ、ワンタンの入ってない普通のらーめん頼めば良かったんですけど、それでもつけ麺をチョイスしてしまうのが業というものです。
 しかし幸い、危惧していたほど分量は多くない。透明な器に盛られた麺はざっと200gくらいだと思います。濃くても、体調の安定しているいまなら苦労なく食べられるくらいで一安心。

 そして、確かにむちゃくちゃ美味しい。

 前述の通り、蕎麦屋では鴨南蛮を注文することの多い私ですが、ここまで濃厚な鴨の風味が楽しめるつけ汁はあんまり食べた覚えがない。写真から解るように、だいぶしっかりと油が浮いているのに、くどくなく、いくらでも啜れる。
 つけ汁の中の具は、当然ながらの鴨肉と、様々な葱。鴨肉は指先くらいのサイズに切ってあるので食べやすい。葱は、蕎麦屋の鴨南蛮ではよくあるぶつ切りにして焼いたものから、斜め切り、小口切りまで様々な切り方がしてあって、それぞれに味わいが違う。具材はオーソドックスなんですが、そのなかで多彩な味や食感が展開していて思いのほか飽きません。途中で、カウンターにある一味や柚子胡椒を投入して味変しないと、と考えてたのに、気づけば何も入れないまま麺を完食してました。
 スープ割りなどが提供されるのであれば、それも確かめたかったんですが、気づけばお店の前にだいぶ列が伸びている。そうでなくても食べるスピードが遅いほうなので、これ以上回転を悪くしてはいけない。麺と肉、そして葱を堪能したところで退店しました。

 非常に好みの味でしたし、TOHOシネマズ上野からも手頃な距離にあるので、また来てみたい……んですが、ネックは、昼食時は確実に行列が出来てそうなところです。以前ほどではないにせよ、未だに並ぶのはあんまし好きではない。タイミング次第だなあ。

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