誰が誰を騙しているのか?

 まだ感染の広がりが落ち着いたわけではありませんが、対処が見えてきたお陰か、映画の延期は減ってきた。昨年の時点からずーっと気になってた1本もどうにか封切られたので、満を持して観てきました。
 映画館は毎度のTOHOシネマズ上野。鑑賞したのは、『罪の声』の塩田武士が大泉洋に当て書きで執筆した小説を、大泉洋主演、吉田大八監督で映画化、出版界を舞台に繰り広げられる駆け引きをスリリングに描く騙し絵の牙』(松竹配給)
 ……正直に言えば、期待しすぎた。
 だって、予告篇でさんざん「この男に騙されるな」って言うからこちらは身構えるし期待するでしょう。お陰で、ある仕掛けは早い段階で察しがついてしまったし、「でもこんなもんじゃないでしょ?」とワクワクしながら観てたら、急に悪い意味で非現実的なところに落ちてしまった。なんだかすご~く物足りない。
 ただ、展開は面白かった。本来畑違いであるカルチャー誌担当の速水が文芸から人材と作品を吸いあげ話題を構築していくくだりの外連味、そこここに見え隠れする出版業界のリアルを反映した描写は見応えはある。決してハリウッド大作のように作り込んでいないけれど、統一感と風格のある映像の佇まいもいい。映画として決して悪くない、だからやっぱり問題は予告の煽り方だと思う。あんな振りかぶってなければこちらも素直に愉しめた気がする。
 とはいえ、それでも締め括りの不自然さは残念。過程は面白いけど、フリとオチがとにかく勿体ない作品でした……これ、どこまで原作通りだったんだろう?

 このあいだ立ち寄った鴨to葱のつけ麺が非常に好みだったので、もういっかい行ってみよう、という気分になり、試しに店先を覗いてみた。
 ……やっぱり並んでた。
 例によって空腹で、あんまり並んでもいられないので、らーめん横町へと移動し、久しぶりにつけめんTETSUにて味玉つけめんを食べてきました。王道かつ濃すぎないので、ここのもけっこう好き。

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