ニューヨークの6月が好き。

 プログラム切替直後の火曜日は午前十時の映画祭12を観に行きます……最近、何やかやとイレギュラーなことが起きがちで、しばしばズレてますが、今回は本来のローテーションです。
 ただし行き先はいつものTOHOシネマズ日本橋ではなく、TOHOシネマズ錦糸町 オリナスです。発表されたスケジュール、日本橋では12時過ぎの開映で、私の生活のリズムだとちと遅い。錦糸町は映画祭におけるグループが日本橋と違うので、当初きょう観るつもりだったのとは違う作品がかかってますが、プログラム切替直後なので来週いっぱい上映はあり、またそのあとも劇場を変えて2週間続くので、フォローは難しくない。
 ……ただ、この日の錦糸町での上映は、朝がちと早い。いつもより早めに起き出し、さっさと出かけました。天気はまあまあ保ちそうなのでバイクで、とも考えましたが、今日の劇場は駐車場から劇場のあるフロアへのアクセスが異様に解りづらいので、公共交通機関を利用……他人の運転に身を委ねてればいいので、道中書き物も出来るし。
 鑑賞した今コマの作品は、テリー・ギリアム監督作品、軽率な煽動で殺人事件を起こしてしまった元ラジオスターが、ひょんなことから出会ったホームレスの男性を救おうと奔走するコメディ『フィッシャー・キング』(コロンビア・トライスター映画初公開時配給)
 奇妙な映画です。取っかかりの、過激な言動が本当の犯罪を招いて失墜するラジオスター、という展開はアメリカなら特にありそう。そこから展開されるドラマの大枠も、ある意味では解りやすいんですが、ディテールがぶっ飛んでる。悲劇で正気を失っているのに話すことには理性がある不思議なホームレスに、訳も解らず振り回されるラジオスター。随所に聖杯伝説をモチーフとしたイメージがつきまとうなかで繰り広げられる、少し滑稽なロマンス。
 冒頭からろくでなしなラジオスターはかなり最後の方まで煮え切りませんし、意を決して起こした行動も、普通に考えれば解決になるはずがない。けれど、何故か余韻は快い。
 今は亡きロビン・ウィリアムズの愛すべきクレイジーさ、ジェフ・ブリッジスの憎めないクズっぷりのハーモニーも絶妙。大笑いするコメディではないし、劇中では有耶無耶にされていることが細かに引っかかってきたりする。しかしそんな状況でも人生の喜びを謳歌してもいいのだ、と思わせてくれる幸せな1本。

 鑑賞後は錦糸町駅の近くまで移動し、この界隈に来たときいちばん頻繁に利用している双麺 錦糸町店へ。ここのつけ麺の極太平打ち麺の風味と食感が好きなのです。

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