映像の外側に恐怖はある。[レンタルDVD鑑賞日記その798]

 2月20日に、2022年9月リリースの『心霊闇動画69』を鑑賞。煽り運転をしてきた相手に起きた奇妙な出来事《交通トラブル》、海で遊ぶ我が子を撮影した映像に異変が起きる《海の中》、コロナ禍で始めた風俗店の新サービスが異様な現象を記録した《ZOOMキャバクラ》など、全7篇を収録。
 ……また演出が前任者に戻ってしまった。そして忌まわしい《質問コーナー》がまた収録されてる……。
 ただ、正直に言って、今回は比較的見られる出来ではあった。特に、よくある顔や人影の映り込みとは性質の違う《海の中》、幾らでも細工は出来そうだけどシチュエーションとその後の展開がなかなか不気味な《ZOOMキャバクラ》は、このシリーズで久しぶりにちょっと「おお」と声が出てしまった。特に前者の、投稿者が漏らす恐怖はちょっと共感出来る。私のいちばん好きな、フェイクでも充分に許せる仕上がり、という奴です。
 毎回、回答にオカルトに対する雑な理解、中途半端なスタンスが透け見えてイラッとする《質問コーナー》も、今回はわりと許せる内容でした。リーダーはいるのか、専属の社員なのか、とか「それは重要か?」「テロップとかから察しがつかないか?」という初歩的な質問が多かったものの、だからこそ、あり得ない回答がなかったのが幸いでした。なんで危ないところに入っていくのか、どうして非常事態でも撮り続けるのか、といった少し踏み込んだ問いにも、まあまあ許せる答を返している。いつもこのくらいなら許せるのですが。
 演出担当が戻ることに批判的な立場を取ってる私ですが、今巻くらいの仕上がりなら取りあえず許容範囲。またぞろスタッフによる取材パートが事務所に引きこもり状態になってますが、それを補うくらいに怪奇映像そのものの出来や、ドキュメンタリー部分で明かされる背景や影響のエピソードがしっかりしていればいいのです。

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