爆笑問題withタイタンシネマライブ#85 at TOHOシネマズ新宿。

 13日の夜、大つけ麺博 presents 日本ラーメン大百科にて夕食を摂ったそのあと、さっきまでいたTOHOシネマズ新宿に舞い戻り、この日のメインイベント、爆笑問題withタイタンシネマライブ#85です。
 本篇前の特典映像は、ウエストランドの第3回単独公演の宣伝……最近、ウエストランドばっかり出てないか? そして短くないか? いちおう映画館のみでの特典みたいな扱いなので、もうちょっと凝ったものを見せて欲しい気はする。所属芸人がYouTube用に撮った、ちょっと観て欲しいネタみたいなのでいいから。
 トップバッターは、最近定位置になりつつある若手・しびれグラムサム。学校の催しでよくあるホームステイの話。もちろんフィクションでしょうけれど、変なりに練ってあって、着地もしっかり考えられてる。初めて観たときは、クセのあるツッコミが妙に浮いてしまってもったいない印象が拭えなかったのですが、ネタの珍妙さと、ツッコミの間の取り方がうまくなってきて、かなり面白くなってきた。見た目のキャラが立っているので、もしかしたら伸びてくるかも知れない。
 ふた組目はタイタンでは古株の方なのにまだ若手のふりをしているネコニスズ。ボケの風貌がどんどん気持ち悪くなってるんですが、それを自覚的にイジりつつひねっていて、安定感のある仕上がり。いっときここのライブに出てなかったのはなぜなのだ。席が空いてなかったのか?
 3番手は春とヒコーキ。ひとりが烏帽子に水干という陰陽師のいでたちで現れたのにまずビックリしましたが、コントのネタでは手垢の付いたほうである“除霊”にいいひねりを加えたネタです。その言い訳はどうなんだ、とツッコみたくなるけれど、あの反応があるからオチが活きる。
 お次は最初のゲスト、さすらいラビー。3年振りの出演だそうです。いちどは憧れる、好きな子と登校する様子をシミュレーションしてみる、というネタ。最初はシンプルな設定だったはずが、ボケの暴走でどんどんヤバくなっていくさまが楽しい。
 5組目はダニエルズ。新婦友人の挨拶が意外な方に転がっていく、というネタ。あさひの女装を活かす、と見せかけて、ちょっとした仕掛けがある……のですが、タイタンライブの主立った客層には受けづらい発想だったかも知れない。今回は珍しく、会場に若いお客がいたようで、スピーカーから聞こえる歓声はそれなりに受けていた様子でしたが、エンディングトークでは本人的に手応えを感じられなかったことを漏らしてました。
 続いてはまんじゅう大帝国。ポケの竹内が、大人がハマるにはいまさら過ぎるものについて熱弁する、と見せかけてどんどん脱線していく。初期のようにツッコミも一緒にボケていくスタイルではなく、ちゃんとツッコんでいくかたちに変わったことで、本来の巧さが強調されている。爆発的に売れるかは解らないけれど、彼らはもうこのまんまでも生き残ると思う。
 お次はキュウ。相変わらずの、全篇通して独自のワードセンスで魅せていくネタです。なにせゆっくりとしたペースで、たっぷり間を使って笑いを取るタイプなので、M-1のような賞レースでは何かしら爆発する要素がないと優勝は難しいかも、と思ってたら、今回のは個人的に可能性を感じる仕上がりでした。風変わりでいながら、ちゃんと見事に落ちるのだから、なかなか気持ちいい。
 8組目はシティホテル3号室。誰しもいちどは考えるバカバカしいネタを本気で掘り下げて、きちんと仕上げちゃってます。オチの意外性も好き。この発想を、違う部位で落とすのが気が利いてます。
 続いてはゲストふた組目、ダイヤモンド。紙幣の肖像の覚え方を説くネタですが、個人的にこの日、いちばんハマりました。異様に情報量があって、なおかつ動きも面白い。内容的に、ものすごーくしっかり台本を作って稽古を重ねて身体に叩き込まねばならないネタなのに、ほぼ完成されてました。もう1回観たいくらいだ。
 10組目は脳みそ夫。映像を駆使することで確実にレベルアップしたこの方、しかし今回のネタはタイタンライブ以外では絶対に受けない。ここかタイタンの若手ライブでしか使えないはずです。でも、それを大真面目に作り込む根性、私は好きだ。
 続いてはタイタンの若頭格となったウエストランド。多忙すぎて、このところおんなじネタのバリエーションばかりになってますが、それでも井口のキレ芸がより巧妙になっているのは感じる。もはや何にでも怒れるのね。そしていちばん怒ってる対象はいつも一緒、というのも筋が通ってる……とはいえ、そろそろ井口は休みましょう。点滴打ってまでそんなにキレなくてもいいのよ。
 お次は相当久しぶりにシネマライブ登壇となるラバーガール。シチュエーションはものすごくシンプル、なのにどんどん変な流れになっていくのが楽しい。挙句、コント師なのに作中作のように漫才が生まれているのに笑ってしまう。やっぱり巧い。
 ゲスト最後のひと組は、漫才協会会長&常任理事となったナイツ。お得意の勘違いネタに、毒をたっぷり染みわたらせた、技術と経験値を凝縮した組み立て。しかしそれでも、本当にヤバいネタは省いてたようです……本質的には爆笑問題とおんなじでタチが悪いんだよな、この人たちも。
 大トリ前はBOOMER。いつも一緒のプリンプリン抜きでの登壇です……でもやっていることはほぼ一緒。私も何度か観た覚えのあるネタなんですが、今回、中継元のほうには本当にいつもより若いお客が入っているようで、下らない仕掛けに驚きの声が上がっていて、伊勢が調子に乗っていた。こんなことは滅多にないからね。
 そして大トリはいつも通り、爆笑問題。最近、採り上げなきゃいけないニュースが多くて処理するのが大変そうです。とはいえやっぱり導入はジャニーズ事務所の1件、そこから『VIVANT』、値上げの夏など、しっかり網羅していく。基本、言わされているだけの田中の関心のなさを突くのも相変わらず。本人たちは衰えを感じているっぽいですが、毎回しっかり時事で新ネタを組むことをやめない気概に頭が下がります。
 エンディングトークはたぶん4年振りくらいに、タイタンメンバーが全員登壇し、最終的に全出演者が一堂に会する賑やかなものになりました。太田の無軌道なボケに全員がヒリヒリするあの感じが嬉しい……当事者としては若干迷惑かも知れないが。なにせ大勢いるので、宣伝の話がだいぶ窮屈になっていたものの、それもまた一興。この賑やかさが続きますように。
 今年最後となる次回は12月8日、ジョン・レノンの命日です、って田中さんが言ってたから書くけど、きっと内容には何の関わりもない。

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