『まんが日本昔ばなし』第二十四回

 のどかな村に、鬼女が出没するようになった。夕方になると現れて子供を攫っていくため、瞬く間に村は寂しくなってしまう。苦慮した村人は、お釈迦様に縋ることにした……

 いわゆる鬼子母神縁起ですが、確か原型は子供を食べているはずで……ま、まあいいか。ちゃんと描写された村人や子供達に対して、まるっきり子供の落書きレベルの鬼女に却って妙な迫力があります。それにしても、冷静に考えると鬼女ももともと情の深い人柄だったのでは、と思わなくもない。幾ら愛しているからと言って、一万人も子供がいたらひとりふたりは居なくなっても気づきはしないだろうに。

  • いたずら仁王様

 日頃から人の訪れの少ない寺の山門を守る仁王像だが、阿形のほうはあまりに退屈で、夜が更けると張り番の仕事を放り出して村に出かけてしまった。鶏を放したり犬をつないだ紐を解いたり、やりたい放題の有様に子供達は憤って仁王像に戦いを挑むが……

 一風変わった話ですが、実は寺社と村落との関係性を説いている、と捉えられます。本来寺社は子供達が安心して遊べる場所でなくてはいけないのだ、と。――ただ、それにしちゃ子供のほうも、中盤では好き放題やりすぎていて、あんまりバランスは取れていない気はしますが。

 巨人の腹の中に、躰に異変を齎す装置が入っている、という発想はわりと定番のようですが、仁王の像になんでそんなものが作ってあるのかは謎です。……いちおう神様だからいいのか?

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