『てるてるあした』#1

 どうして今期ただ2本だけの観たかったドラマが同じ曜日に流れるんだ! 時間帯が違うので一方を選ぶ羽目にはならずに済みましたが、しかし立て続けというのはそれはそれでしんどいぞー! これで『富豪刑事デラックス』まで観る気を起こしたら三時間連続だなけたけたけた。

 ……という馬鹿話はおいといて、内容はというと。

 突然の両親の破産で、急遽逢ったこともない遠い親戚を頼って佐々良という田舎町に移り住むことになった雨宮照代と、夫が急死したことで親類に我が子を奪われそうになり逃げるように都会を離れてきた水野サヤ。ふたりは照代の親類・鈴木久代の経営する下宿屋・笹乃館に身を寄せる。久代に厚遇されるサヤに対し、即日追い出されそうになった挙句、明ければ一日久代にこき使われて、照代は癇癪を起こすが……

 雨降りのくせに日照りすぎ。通り雨にしても降りすぎ。

 しかし役者は先に観た『クロサギ』と比べても嵌り役や演技巧者が多くて、観ていて安心感があります。年齢に対し異様にこなれた演技を示す照代役の黒川智花、もう抜群の薄幸感を醸し出す木村多江というメインふたりはむろん、原作のイメージそのまんまの草笛光子がまた出色です。

 設定は変わっていますが、雰囲気はほぼ押さえているので、原作を読んだ直後でもあまり違和感はありません。物語の焦点となる“女の子の幽霊”が少し凶暴すぎるのと、その背景を明かす順番が少し早すぎるが引っかかりますが、ドラマにするにはこのくらい激しくていいのかも。今のところ原作の意味合いは損ねていないようですし。何より、『ささら さや』のアレがちゃんと出て来たときには、思わず感動してしまいました。この設定、役者の演技力を最大限に発揮できるので、使わないのは損だよな、と思っていただけに嬉しさもひとしお。

 そんなわけで、ドラマとしての手応えは今のところ『クロサギ』よりも上の印象。ワンクール、存分に楽しめそうな予感がします。

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