『ゲゲゲの鬼太郎』第12話 霊界からの着信音

 長電話で父親に叱られてばかりいる千草。そんな彼女の家にある晩から、奇妙な電話がかかるようになる。夜10時33分になるとベルを鳴らす相手は、ただ「いつまでも……いつまでも……」と繰り返すばかりで具体的な言葉を口にする様子がない。けれど父親は何故かその電話を心待ちにしている気配がある。悪霊の類では、と疑った千草は、ふと小耳に挟んだ霊界ポストの噂にすがり、鬼太郎に連絡を取るのだった……

 平安京に出没していたというくらい歴史の古い、けどいまいち実態の知れない以津真天という妖怪を扱って何をやるのかと思ったら、そういう方向か。狙いは悪くないのですが、微妙な点が多い。話の流れからすると付喪神なのですが、この語り方では特定の人物の未練だけが誕生のきっかけになっているように映る。そこに以津真天を絡める必然性もちょっと解らない。確かに、きっかけは善意や未練だったのに、それが化物に変容してしまうというのは妖怪談のパターンとしてあり得るのですけど、もうちょっと話を練って欲しかった気が。

 作画・演出のほうは安定傾向。初期のような神憑りのクオリティはありませんが、でも安心して観ていられるレベルです。ただ、ゲストの女の子、中学生にしては目の位置が高すぎ、それに反して体のバランスは頭が大きすぎる。鬼太郎に合わせたのかも知れませんが、ちょっとデザインのぐらつきが大きい気がします。

 それはそうと、ねずみ男に「デートか?」と突っこまれて顔を赤くした猫娘を「違うよ」のひと言で片付けてしまった鬼太郎が地味に酷い。流すにしてもせめて横を見ろ横を。

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